遺言書の内容を実現するには?広島の遺言執行の手続きと注意点をわかりやすく解説
2026.01.03
亡くなった方から遺言書を預かっている、または遺言書を発見した方のなかには、遺言書の内容を実現するための方法について調べているものの、具体的にどのようにしたらよいかわからないと悩んでいる方もいるでしょう。 そこで、今回は、広島で遺言書を執行するための具体的な方法や手続きについて解説します。また、相談ができるおすすめの専門家についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。 遺言の執行とは?誰が執行する?|広島もみじ法務事務所が解説 遺言の執行とは、亡くなった遺言者が残した遺言書の内容を実際に実現するための手続きのことです。遺言を執行するためには、不動産の名義変更、預貯金の解約・分配、株式の移転など、さまざまな手続きを行う必要があります。 遺言を執行する人 遺言を執行するための手続きは、遺言書で遺言執行者が指定されている場合は遺言執行者が行い、指定されていない場合は基本的に相続人が協力して行うことになります。法律上は、遺言執行者が常に選任されていないといけないわけではありませんが、遺言書で指定されていたり、相続財産となる預貯金の口座がある金融機関から選任を求められたりする場合が多いです。 ここからは、遺言執行者や遺言書を執行するための具体的な方法について、広島もみじ法務事務所の代表行政書士が解説します。 遺言執行者とは 遺言執行者とは、相続人に代わって遺言書の内容を実現する人のことです。遺言執行者は、遺言書の内容を実現するために必要なさまざま権限を持っており、権限にもとづいて以下のような業務を行います。 遺言執行者に就任したことの通知 相続人の調査 相続財産の調査と目録の作成 相続人への財産目録の交付 不動産の相続登記手続き 預貯金の解約・払戻し・名義変更 有価証券の名義変更や売却 相続人への手続きの進捗及び完了の報告 なお、遺言執行者は相続人の代理人ではないため、遺言書の内容を実現するために公平な立場で業務を行います。 遺言執行者に就任できる人 遺言執行者に就任するためには、原則として特別な資格は必要ありません。相続人である配偶者や子どもだけでなく、相続人以外の親族や友人、司法書士や行政書士などの専門家でも問題ありません。ただし、例外として未成年者と破産者は就任できません。 遺言執行者の決め方 それでは、遺言執行者はどのようにして決まるのでしょうか。決め方には、2つのパターンがあります。 1つ目は、遺言書で指定されているパターンです。「長男〇〇を遺言執行者に指定する。」や「弁護士〇〇を遺言執行者に指定する。」などのように遺言書に記載されている場合は、指定された人が遺言執行者になります。 2つ目は、家庭裁判所が選任するパターンです。遺言書で遺言執行者が指定されていない場合は、相続人や受遺者などの利害関係人が、家庭裁判所で遺言執行者の選任という手続きをする必要があり、家庭裁判所に選ばれた人が遺言執行者となります。 なお、手続きができる家庭裁判所は、遺言者が亡くなった時点の住所を管轄する家庭裁判所です。たとえば、遺言者が広島市で亡くなった場合は、広島家庭裁判所で手続きができます。 広島で遺言を執行する具体的な流れ ここまでは、遺言執行者について解説してきました。ここからは、広島で遺言を執行するための具体的な方法と流れについて、詳しく見ていきましょう。 遺言書の確認と検認手続き まず、遺言書がどのような形式で作成されているかを確認します。遺言書の形式には、遺言者が手書きで作成する自筆証書遺言または秘密証書遺言、公証役場で公証人に作成してもらう公正証書遺言という3つの形式があります。 自筆証書遺言または秘密証書遺言の場合は、基本的には家庭裁判所で検認という手続きが必要です。検認とは、遺言書の状態を裁判官が確認して記録に残すための手続きのことです。 検認手続きの具体的な流れや必要書類については、「遺言書の検認とは?手続きの流れ・必要書類・注意点をわかりやすく解説」をご覧ください。 なお、自筆証書遺言については、法務局の保管制度を利用している場合に限り、検認が不要となります。 公正証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認をする必要がありません。また、一般的には遺言執行者の指定がされているため、就任を拒絶されない限りは速やかに遺言を執行するための手続きを始められるでしょう。 詳しくは「公正証書遺言とは?メリット・費用と広島での作成手順をわかりやすく解説」をご覧ください。 遺言執行者の就任 遺言書で遺言執行者に指定された方は、就任するかどうかを自由に決められます。就任を承諾する場合は、相続人の全員に対してその旨を通知します。 就任を拒絶する場合は、執行に着手するより前に、相続人の全員に対してその旨を通知する必要があります。そして、就任を拒絶された場合には、家庭裁判所で遺言執行者の選任の手続きをする必要があります。 ここからは、就任した遺言執行者が遺言を執行するために行うべき業務について解説します。 相続人の調査 就任した遺言執行者は、まず正確な相続人を確定させるために、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人全員の戸籍を、各自の本籍地の役所で取得します。本籍地が広島以外など遠方の場合は、郵送で取得する必要があります。 相続財産の調査 相続人の調査と並行して、相続財産の調査を行います。相続財産の種類や調査方法の具体例は以下の通りです。 不動産:広島法務局で登記簿謄本を取得、固定資産税の納税通知書も確認 預貯金:広島市内の金融機関(広島銀行、もみじ銀行、広島信用金庫など)に残高証明書を請求 有価証券:証券会社に取引残高報告書を請求 生命保険:保険会社に契約内容を照会 負債:借入金、未払税金などの確認 相続財産目録の作成と交付 相続財産の調査内容をもとに、相続財産目録を作成します。調査の結果明らかになった資産だけでなく、負債についても記載します。そして、作成した相続財産目録を相続人全員に交付します。 遺言の実現 遺言書に書かれた内容を実現するための手続きを行います。たとえば、預貯金が遺贈されている場合には、広島銀行など該当の金融機関で口座の解約手続きを行います。また、不動産が遺贈されている場合には、広島法務局など管轄の法務局で不動産の相続登記の手続きを行います。 完了報告 遺言の執行が完了したら、相続人全員に対してすべての手続きが完了した旨の報告を行います。完了の報告によって、遺言執行者による遺言の執行手続きが終了したことになります。 LINEで無料相談する 遺言執行でよくあるトラブル事例と対応例 ここまでは、遺言を執行するための具体的な手続きや内容について解説してきました。ここからは、遺言執行でよくあるトラブル事例と対応例について紹介しますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。 相続人との意見の相違 遺言執行者の報酬トラブル 財産の見落とし 相続人との意見の相違 事例:遺言書の内容に不満を持つ相続人などの相続人がいる場合、遺言執行者との間でトラブルになることがあります。とくに、特定の相続人に多くの財産が遺贈される内容の場合は、他の相続人が納得しないケースがあります。 対応例:遺言執行者はあくまで遺言書の内容を実行する立場であり、特定の相続人の代理人ではないことを説明して、理解を得られるように努めることが考えられるでしょう。 遺言執行者の報酬トラブル 事例:遺言書で遺言執行者が指定されている場合は、その報酬についても記載されている場合が多いですが、なかには報酬に関する記載がないことがあります。報酬について記載がない場合は相続人と協議して決めることになりますが、金額の折り合いがつかず、意見が対立する場合があります。 対応例:家庭裁判所で遺言執行者に対する報酬付与の申立てをすることが考えられるでしょう。報酬付与の申立てをすることで、家庭裁判所に遺言執行者の報酬を決めてもらえます。 相続財産の見落とし 事例:遺言執行者による相続財産の調査が不十分で、のちに新たな財産が見つかった場合、遺言の執行が終わった後であっても遺産分割協議など追加の手続きが必要になります。 対応例:たとえば預貯金の調査であれば、遺言者の郵便物、通帳、キャッシュカード、契約書類などを確認し、広島市内だけでなく関係する可能性のある金融機関にはすべて照会をかけることが考えられるでしょう。 スムーズに遺言を執行するためのポイント 遺言の執行をするためには、家庭裁判所で手続きをしたり、相続人や相続財産の調査などをしたりと、遺言書や相続に関する専門的な知識が必要不可欠となります。また、遺言執行者として遺言を執行する過程で相続人とトラブルになった場合には、解決するための対応もしなければならず、話し合いで解決しない場合は訴訟にまで発展することもあります。 ここまでの記事を読んだ方のなかには、遺言の執行に不安を感じており、誰かに相談したいと考えている方もいるのではないでしょうか。少しでも不安を感じている方は、まずは専門家に相談してみるのがおすすめです。 相談できるおすすめの専門家は、弁護士、司法書士、行政書士です。それぞれの特徴は次のとおりです。 弁護士 司法書士 行政書士 弁護士 弁護士は法律の専門家であり、申立人の代理人として家庭裁判所での手続きを含めてすべてを任せられます。相続人間で争いが予想される場合や、すべてを一括して任せたい場合は、弁護士への依頼が適しています。 司法書士 司法書士は登記の専門家であるだけでなく、申立人に代わって裁判所に提出する書類を作成できます。裁判所での手続きに必要な書類の準備をすべてお願いしたい場合や、相続財産に不動産が数多く含まれる場合は、司法書士に相談するのがよいでしょう。 行政書士 行政書士は書類作成や行政手続きの専門家であり、遺言を執行するために行政手続きが必要な場合は、行政書士に相談するのがよいでしょう。たとえば、相続財産に農地がある場合は、農地がある役所へ農地法にもとづく届出をする必要がありますが、行政書士であれば対応が可能です。 行政書士に相談する場合は、遺言書や相続を専門とする行政書士を選ぶのがおすすめです。遺言書や相続を専門とする行政書士であれば、行政手続きだけでなく、遺言の執行についてさまざまなアドバイスやサポートをしてくれるでしょう。 まとめ 今回は、広島で遺言を執行するための具体的な方法について解説しました。 遺言の執行とは、亡くなった遺言者が残した遺言書の内容を実際に実現するための手続きのことであり、家庭裁判所での遺言執行者の選任、相続人や相続財産の調査など、さまざまな手続きをする必要があります。また、遺言執行者として遺言を執行する過程で相続人との間で万が一トラブルが生じた場合には、解決のための対応もしなければなりません。 遺言の執行を自分で進めることに不安がある場合には、専門家に相談するのがよいでしょう。専門家に相談することで、遺言の執行に対する不安が解消されるだけでなく、手続きをスムーズに進められるようになるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で10年以上さまざまな悩みを抱えた方々と真摯に向き合ってきた豊富な経験を活かして、相手の立場で考え、想いを汲み取る丁寧なヒアリングが強みです。 遺言書は手段であって目的ではありません。まずは無料相談を活用して、自分の想いや現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する
