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遺言書で遺言執行者に指定されても断れる?広島で就任前に確認すべきポイントや就任後の対応を解説

広島 遺言書 相談 遺言執行者

2026.07.11

遺言書で遺言執行者に指定されている方のなかには、必ず就任しなければならないのかと不安に感じている方も多いでしょう。実は、就任する前であれば、就任するか断るかを自分で決められます。 今回は、遺言執行者への就任前に確認するべきポイントや、就任後の業務について解説します。また、就任後の業務を任せられるおすすめの専門家についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。 遺言執行者に就任するかは自分で決められる 一般的に、遺言書を書いた人は遺言執行者を自由に指定できるようになっています(民法第1006条)。遺言執行者に指定された方のなかには、「すぐに手続きを始めないといけない」と考えてしまう方も多いのではないでしょうか。 しかし、指定されたからといって、必ず就任しなければならないわけではありません。指定された時点では、あくまでも候補者のような立場であり、就任する意思表示をしない限りは断ることができます。 また、指定された方が未成年者や破産者だとそもそも就任ができないため、該当する場合はその旨をほかの相続人や受遺者に伝えるようにしましょう。 意思表示をしないまま放置するのは要注意 遺言執行者に指定されていた場合に取るべき対応は、就任をするか、断るかの意思表示をすることです。 万が一、何も意思表示をしないまま放置していると、相続人や受遺者から就任するかどうか催告される場合があります。そして、ある程度の期間が経過しても返事をしなかった場合には、就任を承諾したとみなされる可能性があります(民法第1008条)。 指定されていることを知った場合や、相続人などから返事を求められた場合には、何もせずに放置するのは避けましょう。就任するのか、断るのかを検討したうえで、できるだけ早めに意思表示をすることが大切です。 就任後の辞退は難しい 指定された時点であれば、就任するか断るかを自分で判断して決められます。しかし、いったん就任してしまうと、辞めたいと思っても自由に辞められなくなります。 就任後に辞める場合には、原則として家庭裁判所で手続きをして許可を得る必要があります(民法第1019条)。また、手続きをすれば必ず許可が出るというわけではなく、辞めるための正当な事由があると判断されなければなりません。 少しでも就任を迷っている場合は、安易に就任したと受け取られるような意思表示をしないことが大切です。自分だけで判断するのが難しい場合は、専門家への相談も検討するとよいでしょう。 断るなら早めに書面で伝える 遺言執行者への就任を断る場合は、早めにその意思を伝えることが大切です。法律上、断るための意思表示の方法や形式は定められていません。 しかし、後日のトラブルを防ぐためには、口頭だけで済ませるのではなく、書面やメールなど記録が残る方法で伝えるのが重要です。たとえば、次のような内容を入れたうえで、記録に残る方法で伝えるようにしましょう。 遺言書で遺言執行者に指定されていることを確認したこと 遺言執行者への就任を辞退する意思 辞退する日付 自分の氏名、住所、連絡先 必要に応じて、今後の連絡先や書類の送付先 なお、相続人間に対立がある場合や、辞退したことを後から争われる可能性がある場合は、内容証明郵便などのより確実に記録を残せる方法を選ぶのがよいといえます。 広島で遺言執行者に就任する前に確認するべきポイント 遺言執行者に指定されたときは、遺言者との関係や気持ちだけで就任を決めるのではなく、実際に対応できる内容かどうかを冷静に確認することが大切です。 就任すると、相続人らへの通知・相続人や財産調査・財産目録の作成・預貯金の解約や財産の引渡しなど、遺言書の内容を実現する義務を負うことになります。また、就任後に対応が難しいと気づいても、自由に辞められるわけではないことは既に解説したとおりです。 ここでは、就任するか、断るかを判断する際に確認しておきたいポイントを見ていきましょう。 財産の内容が自分で対応できる範囲か まず確認したいのは、遺言書で対象になっている財産の内容です。預貯金だけなのか、不動産、有価証券、農地、自動車、事業資産などが含まれるのかによって、就任後の負担は大きく変わります。 たとえば、預貯金が中心で、金融機関の数も限られている場合は、比較的対応しやすい可能性があります。一方で、以下のような場合は、対応が難しいケースが多いでしょう。 不動産や有価証券が複数ある 農地や事業資産が含まれる 財産の所在がはっきりしない 財産の種類、数や状態を確認せずに就任を承諾すると、想定以上の作業を抱えることになり、大きな負担になる可能性があります。対象になっている財産の内容は、必ず確認するようにしましょう。 相続人らに争いや不満がないか 次に確認すべきなのは、相続人や受遺者同士の関係です。遺言執行者はあくまでも遺言書の内容を実現する立場であり、特定の相続人の味方や代理人ではありません。 しかし、相続人らの関係が悪い場合や、すでに遺言書の内容に不満を持っているようば場合は、遺言執行者が解決できる問題ではないにもかかわらず、板挟みになる可能性があります。 就任後にトラブルに巻き込まれないように、事前に相続人らの関係などを確認しておくようにしましょう。 手続きにかける時間があるか 遺言執行者に就任すると、相続人や財産調査、財産目録の作成などさまざまな作業を進めなければなりません。基本的には、一度書類を書けば終わるものではなく、役所や金融機関とのやり取りを何度も行う場合が多いでしょう。 たとえば、相続人調査のためには戸籍を収集する必要があります。とくに、被相続人が本籍を何度も移している場合は、繰り返し戸籍を郵送で取り寄せて揃える必要があり、負担になりやすいでしょう。 就任後の作業には、期限が関係するものや、相続人への説明が必要になるものもあります。「仕事の合間に少しずつ進めればよい」と安易に考えるのではなく、自分の生活や仕事の状況を踏まえ、本当に対応できるか十分に検討しましょう。 適切に業務を進められるか 遺言執行者に就任すると、就任した事実を相続人らに通知するだけでなく、財産目録の作成や定期的な報告などを適切に行う必要があります。適切に業務を進めないとトラブルの原因になるだけでなく、生じたトラブルの責任を負う可能性もあるでしょう。 就任後にするべき業務の内容だけでなく、万が一トラブルがあった場合の責任を負う可能性があることを十分に理解したうえで、就任について判断することが大切です。 広島で遺言執行者に就任した後にやるべきこと 就任後は、遺言書の内容を実現するために業務を進める必要があります。主な業務の内容は以下のとおりです。 主な業務 内容 相続人への通知 遺言執行者に就任したことや遺言内容を相続人に伝える 相続人調査 戸籍を集めて、誰が相続人にあたるかを確認する 財産目録の作成 預貯金、不動産、有価証券、負債などを整理する 財産の解約・名義変更 預貯金の解約、不動産や自動車の名義変更などを進める 財産の引渡し・報告 受遺者に財産を引き渡し、手続きの結果を説明できるようにする ここからは、それぞれの業務について解説します。なお、遺言書の内容を実現する手続き全体について知りたい方は「「遺言書の内容を実現するには?広島の遺言執行の手続きと注意点をわかりやすく解説」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 相続人や受遺者への通知と相続人調査 遺言執行者が任務を開始したときは、まず相続人や受遺者に対して就任した事実や遺言書の内容を通知する必要があります(民法第1007条)。通知の方法に法律上の決まりはありませんが、基本的には記録に残るように書面で行うのがよいでしょう。 また、通知先である相続人や受遺者を確認するために、亡くなった方の出生から現在までの戸籍や、相続人や受遺者全員の現在の戸籍を収集するところから始める必要があります。 とくに、人数が多い場合や、疎遠な人がいる場合などは調査に時間がかかるケースが多いため、注意しましょう。 財産調査と財産目録の作成 次に、亡くなった方の財産目録を作成し、相続人や受遺者に交付する必要があります(民法第1011条)。財産目録には、預貯金、不動産、有価証券、自動車、負債などを整理して記載します。 財産目録に漏れや誤りがあると、あとからトラブルになる可能性があるため、通帳、残高証明書、固定資産税納税通知書などの資料を確認して、慎重に進めるのがよいでしょう。 相続人や受遺者に財産を引き渡す 必要な調査などが完了したら、遺言書の内容を実現するために預貯金の解約や名義変更などを進めて、相続人や受遺者に財産を引き渡します。預貯金なら金融機関で解約、不動産なら法務局で相続登記など、財産の種類によって必要な手続きや相談先が変わるため、どこで何をすればよいかを事前に確認しておくようにしましょう。 完了報告 遺言書の内容を実現するための手続きがすべて完了したら、相続人や受遺者に対して業務完了の報告をします。業務完了の報告をしない限りは遺言執行者の状態が続くため、必ず報告しましょう。 広島の遺言執行者の業務は専門家へ任せるのが安心 これまで見てきたとおり、遺言執行者に指定された場合、就任するか断るかは自分の意志で決められます。しかし、一度就任すると正当な理由がない限りは辞任ができなくなるため、基本的に就任後の辞任は難しいことは覚えておいた方がよいでしょう。 また、就任後は、遺言書の内容を実現するためにさまざまな専門的な業務を進める必要があります。万が一、業務を適切に進められなかった場合はトラブルになる可能性があり、遺言執行者として責任を負う可能性もあるでしょう。 ここまでの記事を読んだ方のなかには、自分だけで就任するか判断できるのだろうか、就任後に適切に業務を進められるのだろうかと、不安に思っている方もいるでしょう。少しでも不安に思っている方は、専門家に遺言執行者の業務を任せるのがおすすめです。 法律上、遺言執行者は第三者に業務を任せられるようになっています。したがって、就任した後に自分だけで業務を進めるのが難しい場合であっても、専門家に業務を任せることで適切に業務を進めてもらえるため、安心できるでしょう。 また、就任前であれば、自分の代わりに遺言執行者になってもらえる可能性もあります。家庭裁判所で選任の手続きをする必要があり、最終的には裁判所が判断するため確実ではありませんが、専門家が選任されるケースが一般的です。 なお、遺言執行者の業務を専門家に任せる場合には、遺言書や相続を専門にしている専門家を選ぶのがおすすめです。とくに、就任後に業務を専門家に任せる場合、就任している以上は遺言執行者としての責任を負う可能性があります。 遺言書や相続を専門にしており、豊富な知識や経験がある専門家であれば、適切に業務を進めてくれるため、責任を負うリスクを抑えられるでしょう。 たとえば、広島もみじ法務事務所は遺言書や相続専門の行政書士事務所です。遺言執行者への就任の判断や業務について適切なアドバイスを受けられるだけでなく、専門家としての豊富な知識や経験を活かしてスムーズに業務を進めてもらえるため、安心して任せられるでしょう。 遺言執行者について広島でよくある質問 最後に、遺言執行者についてよくある質問を見ていきましょう。 遺言執行者に指定されたら必ず就任しなければなりませんか? 必ず就任しなければならないわけではありません。遺言書で指定されていても、承諾する前であれば辞退できます。 ただし、一般的に一度就任すると辞任するのは難しいため、慎重に判断するようにしましょう。 遺言執行者を断る場合、誰にどのように伝えればよいですか? 就任を断る場合は、相続人や利害関係人に対して、早めに辞退の意思を伝えましょう。口頭でも意思表示自体はですが、後日のトラブルを防ぐために、書面、メール、場合によっては内容証明郵便など、記録が残る方法が安全です。 就任するか断るか決めないまま放置するとどうなりますか? 放置している間に、相続人やその他の利害関係人から就任するか決めるように催告を受けた場合、就任を承諾したものとみなされる可能性があるため、注意が必要です。 遺言執行者に就任した後でも辞任できますか? 辞任できる場合はあります。しかし、就任後は家庭裁判所の許可がないと辞任ができないため、基本的には難しいと考えておいた方がよいでしょう。 相続人から反対されても手続きを進められますか? 遺言執行者には、遺言書の内容を実現するための権利が認められているため、一般的には相続人から反対されても手続きを進められるでしょう。 ただし、トラブルになる可能性が高い場合には、弁護士に相談するのがよいといえます。 遺言執行者の業務を専門家に任せれば責任は負いませんか? 就任後に専門家に業務を任せる場合、就任している以上は遺言執行者であることに変わりはないため、責任を負う可能性はあります。 したがって、専門家に業務を任せる場合には、責任を負うリスクを抑えるためにも、遺言書や相続を専門にしている専門家を選ぶのがよいでしょう。 まとめ 遺言書で遺言執行者に指定されても、必ず就任しなければならないわけではありません。 法律上、就任前であれば就任するか断るかを自分で決められるため、遺言書の内容、相続人の関係や財産の種類などを確認して、慎重に判断するようにしましょう。ただし、いったん就任すると、正当な理由と家庭裁判所の許可がない限りは辞任できなくなることは、覚えておいた方がよいでしょう。 また、就任後は相続人や受遺者への通知・戸籍などの資料の収集・財産目録作成など、遺言書の内容を実現するためにさまざま業務を適切に進める必要があります。財産目録に漏れがある、相続人を見落としていたなど、適切に進められなかった場合はトラブルになる可能性があるため、注意が必要です。 遺言執行者への就任に少しでも不安がある方は、専門家に相談して業務を任せるのがおすすめです。とくに、遺言書や相続を専門にしている専門家であれば、遺言執行者の業務を適切に進めてもらえるため、安心して任せられるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、複雑なケースであっても適切に遺言執行者の業務に対応できるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

広島で親に遺言書の話を切り出すポイントや具体例を解説

遺言作成

2026.07.04

親に遺言書を書いてもらいたいと思っていても、「財産の話を切り出すと、親に嫌な顔をされるのではないか」「兄弟姉妹から財産目当てだと思われないだろうか」と悩んでいる方もいるでしょう。 今回は、広島で親に遺言書について話をするポイントや、親が元気なうちにこそ遺言書の話をするべき理由について解説しますので、ぜひ参考にしてください。 なぜ遺言書が重要なのか 遺言書がない場合、誰がどの財産を取得するかを決めるためには、原則として遺産分割協議という相続人全員による話し合いが必要です。。 全員で話し合う必要があるため、相続人のうち1人でも欠けていると成立しません。また、話し合いの内容に全員が同意しなければならないため、1人でも分け方に反対すると話し合いがまとまらず、手続きを進めらなくなります。 とくに、以下のようなケースに該当する場合、話し合いが難航しやすく、相続手続きが長引いてしまうケースが珍しくありません。 相続人の一部と連絡が取れない 実家を誰が取得するかで意見が分かれる 親の介護をしていた子と、していなかった子で不公平感がある 相続人の中に認知症などで判断能力が不十分な人がいる 前婚の子や疎遠な相続人がいる 遺言書があれば、すべての問題が必ず解決するわけではありません。しかし、遺言書で親の意志を明確にすれば、相続人が親の意志を尊重して、話し合いをスムーズに進められるようになるでしょう。 親が元気なうちに遺言書の話をするべき理由 遺言書は、いつでも自由に作れるものだと思われがちです。しかし、実際には「まだ元気だから大丈夫」と先送りにしているうちに、病気や認知症などで判断能力に不安が出てくるケースも多いです。 実は、有効な遺言書を作るためには遺言能力が必要ですが、知らない方も多いのではないでしょうか。 まずは、遺言能力について詳しく見ていきましょう。 遺言書を作るには遺言能力が必要になる 遺言能力とは、遺言書によって自分がどの財産を誰に残すのか、そして、作った内容によってどのような結果が生じるのかを理解し、判断できる能力のことです。 遺言能力があるかどうかは、主に次のような点から判断されます。 自分の財産の内容をある程度把握できているか 誰にどの財産を残すのかを理解しているか 遺言書を作ることで、相続人にどのような影響があるかを理解しているか 自分の意思で内容を決めているといえるか つまり、日常会話ができる、買い物ができるからといって、遺言能力が認められるわけではありません。そして、遺言能力が不十分な場合、遺言書を作ったとしても、有効と認められない可能性があります。 だからこそ、親が元気で判断能力がしっかりしているうちに、遺言書の話を始めておくことが大切だといえるでしょう。 認知症と診断されても、すぐに遺言書が作れなくなるわけではない 親が認知症と診断された場合、遺言書を親に書いてもらえなくなるのではと不安になる人もいるでしょう。しかし、認知症と診断されたからといって、ただちに遺言書が作れなくなるわけではありません。 重要なのは、診断名そのものではなく、遺言書を作る時点で遺言能力があるかどうかです。軽度の認知症や軽度認知障害の段階で、本人が遺言書の内容を理解し、自分の意思で判断できる状態であれば、作成できる可能性はあるでしょう。 一方で、判断能力が大きく低下している場合は、遺言書を作成しても、有効性が認められないリスクがあります。とくに、特定の子に多く財産を残す内容や、相続人の間で不公平感が出やすい内容の場合は、遺言能力を理由に有効性を争うようなトラブルの原因になるケースもあるでしょう。 また、親が成年被後見人の場合も遺言書を作ることはできますが、一時的に本人の判断能力が回復すること、医師2人以上の立会いが必要になります。制度としては可能であっても、現実的には難しい場合が多いです。 親の状態ごとに、遺言書作成の考え方を整理すると次のようになります。 親の状態 遺言書作成の考え方 注意点 健康で判断能力に不安がない 自筆証書遺言や公正証書遺言を検討しやすい 将来のトラブルを避けるため、早めに内容を整理する 軽度の認知症・軽度認知障害がある 遺言能力があれば作成できる可能性がある 公正証書遺言や診断書の取得を検討する 判断能力の低下が進んでいる 作成が難しくなる可能性が高い 遺言能力をめぐって争われるリスクがある 成年被後見人になっている 一時的に判断能力を回復した場合に限り可能 医師2人以上の立会いなど、重い手続きが必要になる 遺言書は、親が元気なうちほど選択肢が多く、スムーズに進めやすい手続きといえます。「まだ早い」と思える時期こそ、実は一番話し合いやすいタイミングだと考えておきましょう。 広島で親に遺言書の話を切り出す際のポイント 親に遺言書の話をしたいと思っても、いざ口に出そうとするとためらってしまう人もいるでしょう。「財産を狙っていると思われないだろうか」「親を傷つけてしまわないだろうか」と考えると、なかなか切り出せないものです。 ただ、遺言書の話を先送りにしているうちに、親の体調や判断能力に不安が出てくるケースも珍しくありません。そうなると、遺言書を書きたくても書けなくなる、書けたとしても無効になる可能性があるといった問題が生じることもあるでしょう。 大切なのは、遺言書を「財産を分けるための書類」として話すのではなく、「親の意思をきちんと残すための準備」として伝えることです。といえるでしょう。 ここからは、親に遺言書の話を切り出すときの具体的な進め方について紹介します。 まず子ども同士で親の相続に対する方向性をそろえておく 兄弟姉妹がいる場合、まず子ども同士で親の相続に対する方向性をそろえておくことが大切です。 いきなり子どものうち1人だけが親に遺言書の話をすると、ほかの兄弟姉妹から「自分に有利な内容を書かせようとしているのではないか」と疑われるおそれがあるでしょう。とくに、親の近くに住んでいる子と、県外に住んでいる子がいる場合は注意が必要といえます。 たとえば、親の近くに住んで介護や通院の付き添いをしている子は、「自分がこれだけ支えている」と感じやすい一方で、遠方の県外に住む子は「知らないところで話が進んでいるのでは」と不安になりやすいでしょう。子ども同士の気持ちのすれ違いは、お互いの疑心暗鬼につながり、相続トラブルの原因になる可能性があります。 親に遺言書の話をする前に、まずは子ども同士で親の相続について話し合い、気持ちのすれ違いが生じないようにしましょう。とくに、最初から「実家は誰がもらうのか」といった親の財産の分け方について話し合うのではなく、次のような共通認識を持つことを目標にするのがよいでしょう。 親の意思を尊重すること 子どもが遺言内容を決めないこと 相続でもめないように、元気なうちに準備してもらうこと 必要であれば、公証役場や専門家に相談すること 切り出すタイミングは相続や将来の話題が自然に出たときを選ぶ 遺言書はデリケートな話であるため、親に切り出すタイミングが重要とえいます。たとえば、突然あらたまって「遺言書を書いてほしい」と伝えると、親は「もう自分の死後の話をされている」と感じてしまい、身構えてしまうでしょう。 一般的には、日常会話などで相続や健康、将来の暮らしについて話題が出たタイミングが親に話しやすいでしょう。たとえば、次のような場面では比較的話がしやすいといえます。 年末年始やお盆など、家族が集まったとき 親族や知人の相続の話を聞いたとき テレビや新聞で終活・相続の話題が出たとき 親の通院や入院をきっかけに、今後の生活を話し合うとき 実家の管理やお墓のことが話題になったとき たとえば、親族の相続で手続きが大変だったという話が出たときに、「うちも今すぐどうこうではないけど、元気なうちに少し考えておくと安心かもしれないね」と伝えると、自然に話を始められるでしょう。 ただし、親が疲れているときや、病院で深刻な話を聞いた直後などは避けたほうが無難とえいます。話す側の都合だけで急がず、親が落ち着いて話を聞けるタイミングを選ぶのがよいでしょう。 最初の一言は「書いてほしい」ではなく「一緒に考えたい」にする 最初から「遺言書を書いてほしい」と親に頼んでしまうと、まるで財産の分け方を決めろと言われているように親が感じてしまい、それ以上話が進められないケースもあります。 最初は「親の考えを整理する」「家族が困らないように準備する」という伝え方にしたほうがよいでしょう。以下は、伝え方の例を整理した表になりますので、参考にしてください。 避けたい伝え方 やわらかい伝え方 「そろそろ遺言書を書いておいて」 「元気なうちに、これからのことを少し整理しておくと安心かもしれないね」 「財産をどう分けるつもり?」 「家や預貯金のことを、将来どうしたいかだけでも聞いておけると助かるよ」 「認知症になったら手遅れだよ」 「今のうちなら選べる方法が多いみたいだから、一緒に調べてみない?」 「兄弟でもめたくないから書いて」 「お父さん・お母さんの考えが残っていると、みんなが迷わずに済むと思う」 「誰に何を残すか決めて」 「大切にしているものや、引き継いでほしいことがあれば、元気なうちに形にしておく方法があるみたい」 遺言書は、子どもの希望を実現するための書類ではなく、遺言書を作る親本人の意思を残すためのものです。自分本位な考え方で親に話を切り出すのではなく、親の気持ちに寄り添う姿勢が大切といえるでしょう。 親が嫌がったときは無理に説得しない 遺言書の話をしても、親がすぐに前向きになるとは限りません。「まだ早い」「縁起でもない」「財産なんて大したものはない」と言われることもあるでしょう。 親が前向きでない場合、正論で押し切ろうとするのは避けたほうがよいでしょう。「早くしないと困る」「今やらないと手遅れになる」と強く言うと、親は責められているように感じてしまい、遺言書の話題そのものを避けるようになる可能性があります。 親の反応はさまざまですが、たとえば、次のような反応と返し方が考えられます。 親の反応 返し方の例 「まだ早い」 「たしかに今すぐ必要という話ではないよ。ただ、元気なうちのほうが落ち着いて考えられるみたいだから、制度だけでも知っておくと安心だと思う」 「縁起でもない」 「亡くなったあとの話というより、考えを整理しておく話だよ。保険や通帳の整理と同じで、家族が困らないための準備だと思っている」 「財産なんてない」 「大きな財産があるかどうかより、実家や預貯金の手続きで家族が迷わないことが大事みたいだよ」 「兄弟で話し合えばいい」 「もちろん話し合うつもりだけど、お父さん・お母さんの考えが残っているほうが、みんな納得しやすいと思う」 「面倒くさい」 「全部を一度に決めなくても大丈夫だよ。まずは、どんな方法があるか一緒に確認するだけでもいいと思う」 まずは、遺言書という制度を知ってもらうことや、考えるきっかけを作ることを目標にするのがよいでしょう。そして、一度時間を置いてから別の話題をきっかけに改めて話すほうが、結果的に前へ進みやすくなるケースが多いです。 遺言書の中身を子どもが主導しすぎない 遺言書は本人が自分の意志で作るものであり、子どもだからといって内容を主導してはいけません。「実家は長男にしておいたほうがいい」「預貯金はこう分けたほうが公平だ」などと子どもが内容を主導してしまうと、親の本心とはいえず、ほかの相続人から「親が本当に自分の意思で書いたのか」と疑われる可能性もあります。 したがって、親が自分の意志で遺言書を作れるよう、次のような行動は避けるべきだといえます。 特定の相続人に有利な内容を強くすすめる 親が理解していない内容で遺言書を作らせる 兄弟姉妹に知らせず、1人だけで親と話を進める 親の体調が悪いときに急いで署名や押印を求める 親の意思よりも、子ども側の都合を優先する たとえば、親が「どう考えればいいかわからない」と困っている場合、「実家を誰か1人に残す方法もあるし、売却して分ける方法もあるみたいだよ」といった形で、一般的な選択肢を示すこと自体は問題にはならないでしょう。 子ども側からひとつの結論に親を誘導するのではなく、親が自分で選べるように情報を整理することを意識するのがよいでしょう。 財産だけでなく親の希望も聞いておく 遺言書というと、不動産や預貯金を誰に残すかという話に意識が向きがちです。しかし、大切なのは財産の分け方だけではなく、実家をどうしてほしいか、お墓を誰に守ってほしいかという親の希望を汲み取ることです。 そこで、最初から財産の分け方を具体的に決めてもらうのではなく、次のような質問から始めると遺言書の内容について話しやすくなるでしょう。 「実家は将来どうしたいと思っている?」 「お墓や仏壇のことで、気になっていることはある?」 「大切にしているものを、誰かに引き継いでほしい気持ちはある?」 「家族に迷惑をかけたくないと思っていることはある?」 「兄弟で話し合うときに、伝えておいてほしい考えはある?」 なお、遺言書には、財産の分け方だけでなく、家族への思いや感謝を「付言事項」として残すこともできます。付言事項に法的な効力はありませんが、親の思いが伝わることで、相続人同士の感情的な対立をやわらげられる場合があります。詳しくは「遺言書は付言事項が大切。書くべき理由や広島の具体例を分かりやすく解説!」」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 広島で親に遺言書を書いてもらうには専門家に相談を 遺言書を作るには遺言能力が必要であり、親が元気なうちに話を切り出すことが大切です。しかし、遺言書の話は親にとってデリケートな内容であり、大切だとわかっていても話を切り出すのが難しいと感じる方も多いでしょう。 また、きちんと話ができて親に遺言書を書いてもらえたとしても、他の相続人の遺留分を侵害するなど、内容によってはのちの相続トラブルの原因になる可能性もあります。トラブルのリスクを抑えるためには、親の希望を考慮したうえで、さまざまな視点から内容を慎重に検討する必要があります。 ここまでの記事を読んだ方のなかには、自分ひとりでは親に遺言書を書いてもらうことが難しく、どうしたらよいか不安に思っている方もいるのではないでしょうか。トラブルのリスクを抑えて、親の希望を実現できる遺言書を親に書いてもらうためには、親と一緒に専門家へ相談するのがおすすめといえるでしょう。 ここからは、遺言書について相談可能な専門家である、行政書士、司法書士、弁護士の特徴を紹介します。 行政書士に相談できること 行政書士は、遺言書を含む法的な書類を作成する専門家であり、遺言書の文案作成のサポートや、相続人調査、相続関係書類の整理などを相談できます。 たとえば、親の希望をどのように遺言書の文案に落とし込むか、公正証書遺言と自筆証書遺言のどちらが合っているか、必要書類をどこまで準備すればよいかといった相談ができるため、トラブルの可能性が低い場合、まずは行政書士に相談するのがよいでしょう。 一方で、行政書士はトラブルの代理交渉はできません。すでに兄弟姉妹間で争いが起きている場合や、相手方との交渉が必要な場合は、弁護士に相談する必要があります。 司法書士に相談できること 司法書士は、不動産の登記の専門家であり、将来の不動産の相続登記も含めた相談ができます。とくに、親が自宅以外にも複数の不動産を持っている場合は相続登記が複雑になりやすいため、司法書士に相談するのがよいでしょう。 ただし、行政書士と同じくトラブルの代理交渉はできないため、すでに争いが生じている場合などは弁護士に相談するのがよいでしょう。 弁護士に相談すべきケース 弁護士は、法的なトラブルの代理交渉ができる唯一の専門家です。すでに相続に関して争いがある場合や、将来的にトラブルが生じる可能性が高い場合は、弁護士に相談するのがよいでしょう。 行政書士や司法書士に相談したあと、紛争性が高いと判断された場合には、弁護士を紹介してもらう方法もあります。 広島で相談先を選ぶときのポイント 広島で親の遺言書について相談する場合は、相談先の資格だけでなく、次の点を確認しておきましょう。 公正証書遺言の作成サポートに対応しているか 親子での相談に対応しているか LINEやメールなど、相談しやすい方法があるか 費用や対応範囲を事前に説明してもらえるか 必要に応じて弁護士・司法書士・税理士と連携できるか とくに、費用や対応範囲は事前に確認しておくことが重要です。「どこまで対応してもらえるのか」「公証役場とのやり取りも含まれるのか」などを確認せずに進めると、あとから認識の違いが生じることがあるため、必ず聞いておくようにしましょう。 広島で親に遺言書を書いてもらいたい方からよくある質問 最後に、親に遺言書を書いてもらいたい方からよくある質問について見ていきましょう。 親が「まだ早い」と言って取り合ってくれません。どうすればよいですか? 無理に説得しようとするのではなく、「今すぐ書いてほしいわけではないけれど、元気なうちのほうが選べる方法が多いみたい」と伝えるとよいでしょう。 最初から遺言書を書いてもらうことを目標にする必要はありません。まずは、公正証書遺言と自筆証書遺言という代表的な2つの遺言書について、親と一緒に調べるところから始めるのがおすすめです。 なお、2つの遺言書についてはそれぞれ以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。  「広島で遺言書を手書きで作るポイントとは?自筆証書遺言の書き方や注意点をわかりやすく解説!」  「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」」 親が認知症の初期と診断されました。今からでも遺言書は作れますか? 認知症と診断されたからといって、すぐに遺言書が作れなくなるわけではありません。重要なのは、遺言書を作る時点で、本人に遺言能力があるかどうかです。 判断能力が保たれている場合は、遺言書を作成できる可能性があります。ただし、あとから遺言能力が争われるリスクもあるため、公正証書遺言の利用や医師の診断書の取得などを検討するとよいでしょう。 子どもが親の遺言書の内容を考えてもよいですか? 遺言書は、作る人が自分の意志で内容を決めます。したがって、子どもが制度を調べたり、必要書類を整理したりすることは問題ありませんが、遺言書の内容を手動するのは避けるべきだといえるでしょう。 親が広島に住んでいて、子どもが県外に住んでいる場合はどう進めればよいですか? 子どもが県外に住んでいる場合でも、事前の情報整理や必要書類の確認、専門家への相談予約などのサポートは可能です。 ただし、遺言書を作成するのはあくまで親本人です。子どもだけで内容を決めたり、親の意思を確認しないまま手続きを進めたりすることは避けましょう。 まとめ 親に遺言書を書いてもらう話は、家族であっても切り出しにくいテーマといえます。しかし、認知症や病気によって遺言能力が不十分になり、有効な遺言書が書けなくなる可能性があるため、親が元気なうちにこそ話し合いを始めることが大切です。 また、親に話を切り出すときは、子どもが内容を主導する、無理矢理書かせるといったことは避けて、親の意思を尊重しながら話を進めるようにしましょう。とくに、兄弟姉妹がいる場合は、先に子ども同士で方向性をそろえておくことも重要です。 「親に話を切り出すのが難しい」「うまく話ができるか不安」と感じている方は、親と一緒に専門家に相談するのがおすすめです。専門家に相談してアドバイスを受けることで、遺言書に対する親の不安が和らぎ、前向きに準備を始めるきっかけになるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、トラブルのリスクを抑えて本当に安心できる遺言書の作成をサポートできるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、親と一緒に現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

遺言書を活用して広島で内縁のパートナーに財産を残すおすすめの方法を解説!

広島 遺言書 相談 夫婦

2026.06.23

広島で内縁のパートナーと長年生活している方のなかには、「自分が亡くなったあと、パートナーは自宅に住み続けられるのだろうか」「パートナーに預貯金をきちんと残せるのだろうか」と不安を感じている人もいるでしょう。 今回は、内縁のパートナーに財産を残すための4つの方法と、遺言書を活用したおすすめの方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。 内縁のパートナーには相続する権利がない まず押さえておきたいのは、内縁のパートナーには、原則として相続する権利が法律で認められていないことです。基本的に、亡くなった方の配偶者は財産を相続する権利がありますが、婚姻届を提出しなければ配偶者として認められません。 つまり、長年一緒に暮らしているパートナーであっても、婚姻届を提出しなければ法律上は配偶者にならないため、原則として財産を相続する権利はありません。 必ず特別縁故者になれるわけではない 特別縁故者とは、亡くなった方が生前に特に親しくしていた方であり、相続人と同じように財産を相続する権利が認められています。そこで、「内縁のパートナーであれば、特別縁故者として財産を受け取れるのでは」と考える方もいるでしょう。 しかし、特別縁故者が財産を相続できるのは、亡くなった方に誰も相続人がいない場合に限られます。また、特別縁故者は生前に親しければ当然に認められるものではなく、家庭裁判所で手続きをして、最終的には家庭裁判所が認めるかどうかを判断するため、必ず認められるわけではありません。 内縁のパートナーであっても、必ず特別縁故者になれるわけではないことは、覚えておいた方がいいでしょう。 内縁のパートナーに財産を残す方法 ここまで見てきたとおり、基本的に内縁のパートナーは相続する権利が認められていません。たとえば、内縁のパートナーと自分が所有している自宅に住んでいた場合、相続によって自宅は相続人が所有することになります。そのため、パートナーと相続人との関係によっては、自宅からの退去を求められたり、今後の居住条件について交渉が必要になったりする可能性があります。 万が一のことがあった場合、相続する権利がないパートナーは基本的に財産を受け取れません。パートナーの生活を守るためには、事前に対策をして財産を残せるようにすることが大切です。 内縁のパートナーに財産を残す方法には、大きく分けて次の4つの方法があります。 方法 内容 遺贈 遺言書を作って財産を受け取ってもらう 生前贈与 生きているうちに財産を渡す 死因贈与 死亡時に財産を渡す契約を締結 生命保険 死亡保険金の受取人に指定する方法 ここからは、内縁のパートナーに財産を残す4つの方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。 遺贈 遺贈とは、遺言書を作ることで、財産を受け取れるようにする方法です。「自宅を内縁の妻に遺贈する」「預貯金のうち2分の1を内縁の夫に遺贈する」など、内縁のパートナーに自宅や預貯金などの財産を残す内容の遺言書を作っておくことで、万が一のときにパートナーが財産を受け取れるようになります。 遺贈には、大きく分けて包括遺贈と特定遺贈の2つの方法があります。それぞれの具体的な内容や注意点などは以下のとおりです。 方法 内容 向いているケース 注意点 包括遺贈 残す財産を割合で指定 財産の全部や一定割合を残したい場合 ・債務も引き継ぐ可能性がある ・他の相続人と話し合いになる可能性がある 特定遺贈 残す財産を具体的に指定 特定の財産のみ残したい場合 財産を正確に記載しないと、無効になる可能性がある とくに、包括遺贈の場合、他の相続人と財産の分け方について話し合いが必要になるケースがあるため、注意が必要です。 生前贈与 生前贈与とは、生前に自分の財産を相手に渡す契約のことです(民法第549条)。たとえば、生前に預貯金の一部を内縁のパートナーに贈与しておけば、贈与した預貯金はパートナーの財産になります。 ただし、贈与する金額が大きくなると、贈与税が問題になる可能性があります。また、不動産を贈与することもできますが、登記費用だけでなく不動産取得税などがかかるケースもあるため、注意が必要です。 死因贈与 死因贈与とは、本人の死亡によって効力が生じる贈与契約のことです。死亡によって贈与の効力が生じること以外は、基本的に生前贈与と変わりません。 また、本人の死亡時に効力が生じるという点では、贈と似ていますが、内縁のパートナーと生前に契約する必要がある点が異なります。つまり、遺贈の場合は自分だけで遺言書を書けば問題ありませんが、死因贈与の場合はパートナーと契約する必要があるため、自分ひとりの意思では自由に決められないのが原則です。 生命保険 生命保険の受取人を、内縁パートナーに指定する方法もあります。死亡保険金は、原則として亡くなった方の財産の一部ではなく、保険金を受け取る人自身の財産になるため、相続する権利がない内縁のパートナーであっても受け取れます。 ただし、保険会社によっては、内縁のパートナーを受取人に指定するための条件や確認書類が定められている場合があるため、事前に確認するようにしましょう。また、保険金額が極端に大きい場合などは、例外的に亡くなった方の財産の一部とみなされて、相続人とトラブルになるケースもあるため、注意が必要です。 遺言書を作って遺贈を中心に対策するのがおすすめ 内縁のパートナーに財産を残す方法については、これまで見てきたとおりです。4つの方法はそれぞれ特徴が異なるため、どの方法を選べばよいのかと悩んでいる方もいるでしょう。 パートナーの生活を守るためには、自分に万が一のことがあった場合に、自宅や預貯金などのまとまった財産を残せるようにしておくことが大切です。したがって、万が一のときに相続人と同じようにパートナーが財産を受け取れるよう、遺言書を作って遺贈を中心に複数の方法を組み合わせるのがおすすめです。 たとえば、生前贈与を利用して預貯金を少しずつ財産をパートナーに渡しておき、遺言書で自宅などの不動産を遺贈する方法があるでしょう。とくに、不動産は生前に贈与すると手続きが複雑になったり、さまざまな税金がかかったりするので、遺贈するのがよいといえます。 遺言書を作り、遺贈を中心にして複数の方法を組み合わせることで、万が一のことがあっても内縁のパートナーが安心して生活できるように準備できるでしょう。 遺言書は公正証書遺言を選択すべき 遺言書には、大きく分けて自筆証書遺言という手書きで作成する遺言書と、公正証書遺言という公証役場で作成する遺言書の2種類があります。 手書きで作成する遺言書は、費用が抑えられ、いつでも作成できるというメリットがあります。一方で、法律で決められた形式を満たさないと無効になるリスクがあるため、注意が必要です。詳しくは「広島で遺言書を手書きで作るポイントとは?自筆証書遺言の書き方や注意点をわかりやすく解説!」の記事で解説しています。 公証役場で作成する遺言書は、法律の専門家である公証人が本人の代わりに作成してくれるため、形式不備による無効のリスクが抑えられるのがメリットです。一方で、作成には時間や手数料がかかるのがデメリットです。詳しくは~ それぞれの遺言書にメリットとデメリットがありますが、せっかく遺言書を作成しても、形式不備によって無効になってしまっては意味がありません。したがって、手書きの場合と比べて形式不備による無効のリスクを抑えられる、公正証書遺言を選ぶべきでしょう。 なお、公正証書遺言については「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 内縁のパートナーへ財産を残す場合の注意点 遺言書の作成や生前贈与など、複数の方法を組み合わせること以外にも、内縁のパートナーに財産を残すうえで注意するべきポイントがあります。 ここからは、注意するべき2つのポイントについて解説します。 法定相続人の遺留分への配慮 遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に法律で保障されている、最低限の相続の割合のことです。生前贈与や遺贈によって相続人の遺留分を侵害すると、侵害された相続人から内縁のパートナーに対して、金銭の支払いを請求される可能性があります。 たとえば、実子がいる場合、実子は相続人となり、遺留分が認められています。仮に、全財産を内縁のパートナーに遺贈する遺言書を作成すると、遺留分を侵害された実子から、パートナーが金銭の支払いを請求されるケースがあります。また、内縁のパートナーに生前贈与をした場合でも、相続人の遺留分を侵害する可能性があるため、注意が必要です。 遺留分を侵害する可能性がある場合は、相続人にも一定の財産を残す、侵害した遺留分の金額以上の死亡保険金が支払われるように生命保険に加入しておくなど、事前の対策が重要になります。なお、遺留分については「遺留分を知らずに遺言書を作ると危険?遺留分の基本と対策を広島の行政書士が解説!」の記事で解説していますので、併せてご覧ください。 遺言執行者を指定しておく 遺言書では、遺言執行者を指定しておくことも重要です(民法第1006条)。遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、預貯金の解約や不動産の名義変更などの手続きができる人のことです。 遺言執行者を指定しておかないと、内縁のパートナーがほかの相続人と一緒に手続きをしなければならないケースがあります。パートナーにとって、ほかの相続人と連絡を取って一緒に手続きを進めることは、難しい場合もあるでしょう。 遺言執行者を指定しておけば、指定された人が単独で必要な手続きを進められます。したがって、遺言書を作成する際は、内縁のパートナーが後の手続きで困らないよう、遺言執行者を指定しておくのがよいでしょう。 詳しくは、関連記事「遺言執行とは?遺言書の内容を実現する手続きと注意点をわかりやすく解説」で解説しています。 LINEで無料相談する リスクを抑えて内縁のパートナーに財産を残すためには専門家へ相談 内縁のパートナーに財産を残す方法については、これまで見てきたとおりです。自分に万が一のことがあった場合に備えて、パートナーの生活を守るためには、遺言書を作って遺贈を中心に複数の方法を組み合わせるのがよいでしょう。 しかし、単に遺言書を作る、生前贈与をするというだけでは、リスクに対する備えが不十分な場合が多いです。とくに、遺留分がある相続人がいる場合、生前贈与や遺贈によって遺留分を侵害してしまうと、パートナーが相続人から金銭の支払いを請求される可能性があります。 遺留分の侵害による金銭の支払いなど、トラブルになるリスクを抑えてパートナーに財産を残すためには、専門家に相談するのがおすすめです。専門家は、大きく分けて弁護士、司法書士、行政書士であり、それぞれ特徴が異なります。 ここからは、専門家ごとの特徴について見ていきましょう。 弁護士 弁護士は、相続人とのトラブルが予想される場合や、すでに対立がある場合に適しています。遺留分侵害額請求への対応や、相続人との交渉が必要になる可能性が高い場合は、弁護士へ相談するのがよいでしょう。 司法書士 司法書士は登記の専門家です。自宅以外にも投資用マンションなど複数の不動産を所有している場合は、相続による不動産の名義変更手続きが複雑になる可能性があるため、司法書士に相談するのがよいでしょう。 行政書士 行政書士は、遺言書を含む法的な書類作成の専門家です。遺言書の原案作成、相続人や財産の調査、公正証書遺言の作成に必要な公証役場との調整など、幅広くサポートできます。相続人とのトラブルが生じる可能性が低い場合は、行政書士に相談するのがよいでしょう。 遺言書・相続を専門にしている専門家を選ぶのがおすすめ 専門家ごとにさまざまな特徴がありますが、もっとも大切なことは遺言相続を専門にしている専門家を選ぶことです。遺言相続を専門にしていない専門家と比べて、豊富な知識と経験を有しており、内縁のパートナーに財産を残すための最適な方法を提案してくれるでしょう。 たとえば、行政書士広島もみじ法務事務所は、遺言相続を専門にしている行政書士事務所であり、代表は遺言相続に関する豊富な知識と経験を有しているため、安心して相談できるでしょう。 遺言書で内縁のパートナーに遺贈するケースでよくある質問 最後に、内縁のパートナーに財産を残すための遺言書について、よくある質問を紹介します。 内縁のパートナーが遺贈で財産を受け取ると、相続税は高くなりますか? 相続税が発生する場合、内縁のパートナーは相続税額の2割加算の対象になる可能性があります(相続税法第18条)。 財産が多く、相続税が発生する可能性が高い場合は、税理士への相談を検討しましょう。 遺贈するために内縁関係を証明する書類は必要ですか? 遺贈については、内縁関係であることを証明する書類は基本的に不要です。 内縁のパートナーと私の双方が、お互いに財産を残し合う遺言書を作れますか? たとえば、AさんがBさんに財産を遺贈する遺言書を作り、BさんもAさんに財産を遺贈する遺言書を作るなど、お互いに財産を残し合う内容の遺言書を作成することは可能です。 ただし、2人が共同して1通の遺言書を作成することはできないため、別々に作成しなければならないことは覚えておいた方がよいでしょう。 まとめ 内縁のパートナーは、法律上は相続する権利がないため、相続人ではありません。したがって、何も準備をしていない状態で万が一のことがあった場合、パートナーは自宅や預貯金などの財産を一切受け取れない可能性があります。 万が一のことがあった場合に内縁のパートナーの生活を守るためには、遺言書による遺贈や生前贈与などの複数の方法を組み合わせて、パートナーに財産を残すための準備をしておくことが大切です。とくに、遺留分がある相続人がいる場合、遺留分侵害によるトラブルのリスクを抑えてパートナーに財産を残せるよう、遺言相続を専門にしている専門家に相談するのがおすすめといえるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、家族関係・財産状況を踏まえた安心できる遺言書の作成と生前対策をサポートできるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

遺言書は作り直した方がよいケースも!代表的なケースや広島で作り直すおすすめの方法を解説

広島 遺言書 相談

2026.06.02

広島で遺言書を作成した方のなかには、内容を変更した方がいいのではないかと悩んでいる方も多いでしょう。遺言書は一度作成したら終わりではなく、現在の状況に合わせて作り直すことが大切です。 今回は、遺言書を作り直した方がよいケースを紹介したうえで、広島での具体的な方法や押さえておくべきポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。 遺言書は作り直しができる 遺言書の内容を変更したい方のなかには、一度作ってしまうと内容を変更できないのではないかと考えている方も多いでしょう。実は、遺言書を作った人は、いつでも自分の意志で遺言書の内容について、全部または一部を変更できます。 一度作ったあとでも遺言書は作り直しが可能ということは、ぜひ覚えておきましょう。 広島で遺言書を作り直した方がよい主なケース 遺言書を作成した当時と現在とで、家族関係や財産の状況が変わっていることは珍しくありません。とくに60代、70代になると、配偶者の死亡、子どもの独立、不動産の売却、介護してくれた人への感謝など、書いておきたい内容が変わることもあるでしょう。 まずは、遺言書を作り直した方がよい代表的なケースを確認しましょう。 再婚・離婚による家族関係の変化 再婚や離婚があった場合は、遺言書の見直しを検討しましょう。離婚をすると元配偶者は相続人ではなくなりますが、遺言書に元配偶者へ財産を残す内容が書かれていると、遺贈したいのだと捉えられる可能性があります。 一方、再婚した場合は、現在の配偶者が相続人になります。また、再婚した相手の連れ子については、養子にならない限りは原則として相続人にはなりません。現在の配偶者、前婚の子、連れ子の関係を整理せずに遺言書をそのままにしていると、相続時に感情的な対立が起こるケースもあります。 とくに、家族関係が複雑な場合は、単に「現在の配偶者にすべての財産を残す」と書くだけでは足りないことがあります。前婚の子の遺留分や、連れ子に財産を残すための遺贈なども含めて検討するようにしましょう。 推定相続人や受遺者が先に亡くなった場合 財産を受け取る予定だった人が、遺言者より先に亡くなっている場合も、遺言書の作り直しを検討する必要があるでしょう。たとえば、「自宅を長男に残す」内容を書いていた場合、長男が先に亡くなると、長男へ自宅を残すという部分が無効になる可能性があります。 財産を残す予定だった人が自分より先に亡くなったときは、財産を誰に残すかをもう一度考えて、遺言書にはっきりと書いておくのがよいでしょう。 不動産の売却・購入による財産構成の変化 自宅や土地などの不動産を売却した場合や、新たに購入する場合も注意が必要です。不動産の売買は財産の内容が大きく変わりやすいため、既に作成している遺言書の内容と財産の状況が一致しないことになるでしょう。 内容と財産の状況が一致しない場合、該当する部分については撤回したとみなされる場合があります。撤回とみなされると法的な効力が生じなくなるため、遺言書に残した自分の想いが実現できない可能性もあります。 不動産を売買する予定があるときは、財産の状況が大きく変わりやすいため、財産の分け方を改めて整理するようにしましょう。 関係性の変化や新たな受遺者の追加 家族関係や財産の内容に大きな変化がなくても、遺言書を作り直した方がよいケースがあります。たとえば、以前は親しくしていた親族と疎遠になった、反対に長年介護してくれた人へ財産の一部を残したいといった場合です。 現在の希望を遺言書に反映させるために、改めて内容を見直して作り直すのがよいでしょう。 なお、家族以外の人や団体へ財産を残す場合は、相続人の遺留分にも注意が必要です。遺留分については「遺留分を知らずに遺言書を作ると危険?遺留分の基本と対策を広島の行政書士が解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 遺言書を作り直す2つの具体的な方法 遺言書を作り直す方法は、大きく分けて2つの方法があります。 ここからは、2つの方法について詳しく解説します。 全部撤回して新しい遺言書を作成する 1つ目は、既に作成している遺言書の内容をすべて撤回して、新しく作り直す方法です。 撤回とは、該当部分について最初から意思表示がなかったことにするための手段であり、撤回した部分は法的な効力が生じなくなります。したがって、既に作成している遺言書の内容をすべて撤回したうえで新しく作り直すことで、作り直した遺言書の内容のみが法的に有効になります。 しかし、撤回するためには法律で決められたルールを守る必要があり、単に口頭で「すべて撤回します」と誰かに伝えただけでは撤回できないため、注意が必要です。撤回するためには、新しく作り直した遺言書に「既に作成した遺言書の内容を撤回する」旨を記載する方法が一般的だといえるでしょう。 撤回せずに新しい遺言書を作成する 2つ目は、既に作成している遺言書の内容は撤回せずに、変更したい部分のみを記載した遺言書を新たに作る方法です。 遺言書が複数存在する場合、同じ財産に関する内容については、基本的にはもっとも新しい遺言書の内容が有効になります。たとえば、既に作成している遺言書では「預貯金を長男に相続させる」としていたものを、新しい遺言書で「預貯金は長女に相続させる」と書かれていた場合、一般的には預貯金は長女が相続することになります。 また、同じ財産に関する内容以外の部分については、それぞれの遺言書に記載されている内容が有効になります。たとえば、古い遺言書にのみ「自宅は長男に相続させる」と記載されている場合、自宅を相続するのは一般的には長男になります。 つまり、撤回せずに新しい遺言書を作成する場合、複数の遺言書を組み合わせてひとつの遺言書を作成しているといえるでしょう。 基本的には全部撤回して作り直す方法がおすすめ 遺言書を作り直す場合、どちらの方法がよいか迷う方もいるでしょう。基本的には、既に作成している遺言書の内容をすべて撤回して、新しく遺言書を作成する1つ目の方法がおすすめといえます。 2つ目の方法にすると、複数の遺言書の内容について、変更されている部分とされていない部分を精査する必要があるため、1通の場合と比べて確認の手間がかかります。また、遺言書が増えるにつれて、内容の齟齬が生じるリスクが高くなり、正確性を担保するのが難しくなるでしょう。 1つ目の方法であれば、基本的には一番最後に作った遺言書だけが法的に有効になっているため、ほかの遺言書の内容を精査する手間がかからないといえます。また、変更部分を含めて希望する内容をすべて記載して新しく作成するため、既に作成している内容と齟齬が起きる心配がなく、内容の正確性を担保しやすいでしょう。 <center>LINEで無料相談する</center> 広島で遺言書を作り直す際の4つのポイント 遺言書を作り直す場合、押さえておくべきポイントがあります。ポイントを押さえて遺言書を作り直さないと、内容の一部が無効になるだけでなく、遺言書そのものが無効になる、相続トラブルになるといったリスクもあります。 ここからは、広島で遺言書を作り直す際に、とくに押さえておくべき4つのポイントについて解説します。 自筆証書遺言は方式を必ず守る 自筆証書遺言で作り直す場合、手書きする、押印するなどの法律で決まっている方式を必ず守る必要があります。方式に不備があると、遺言書そのものが無効になる可能性もあるでしょう。 とくに、作り直した遺言書が無効になってしまうと、既に作成している遺言書との関係も複雑になり、内容のうちどの部分が有効なのかがわかりづらくなります。自筆証書遺言で作り直す場合、内容に注意するのはもちろん、法律で決まっている方式が守られているかを必ず確認しましょう。 なお、方式不備による無効のリスクを抑えて遺言書を作り直すには、公正証書遺言がおすすめといえます。詳しくは「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 曖昧な内容にしない 既に作成している遺言書を撤回せずに、変更部分だけ記載した新しい遺言書を作成する場合、変更した部分が誰が読んでもわかるように明確な内容にしましょう。曖昧な内容にしてしまうと、変更部分についてトラブルが生じる可能性があります。 たとえば、既に作成している遺言書で「すべて財産を長男に相続させる」と書き、新しい遺言書で「○○銀行の預金を長女に相続させる」と書いた場合、○○銀行の預金のみ長女に渡すように変更したのか、それとも財産全体の分け方を丸ごと変えたのか判断が難しいでしょう。はっきりと内容が判断できないと、相続人同士で解釈の違いが生じてしまい、最悪の場合トラブルになるケースもあります。 誰が遺言書を読んでも、変更した部分が正確に理解できるように、曖昧な内容は避けて具体的で明確な内容の記載を心がけましょう。 撤回した部分を再度撤回しても法的な効力は復活しない 既に作成している遺言書の内容を撤回した場合、撤回した部分をさらに撤回する内容の遺言書を作成しても、原則として効力を復活させることができません(民法第1025条)。 したがって、撤回した部分について効力を復活させたい場合は、該当部分と同じ内容の遺言書を作り直す必要があるため、注意が必要です。 遺留分への配慮が必要 遺言書を作り直すときは、遺留分にも注意が必要です。遺留分とは、兄弟姉妹以外の一定の相続人に保障される、最低限の相続の割合のことです。 たとえば、既に作成している遺言書では遺留分に配慮した内容になっていたのに、新しく作り直したことによって、相続人の遺留分を侵害してしまう場合も少なくありません。遺留分を侵害すると、侵害された相続人からほかの相続人が金銭の請求をされる可能性があり、相続人同士で相続トラブルになるケースもあるでしょう。 なお、どうしても遺留分を侵害する内容になってしまう場合、付言事項を残すことで、遺留分を侵害された相続人に金銭の請求を思い留まってもらえる可能性があるでしょう。付言事項については「遺言書は付言事項が大切。書くべき理由や広島の具体例を分かりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 広島で遺言書を作り直す場合の進め方 遺言書を作り直す場合、思いついた内容でいきなり作成を進めるのではなく、現状や変更点の整理から始めるのが安心といえます。 ここからは、遺言書を作り直す場合の具体的な進め方の一例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 現在の遺言書を確認する まずは、現在の遺言書の内容を改めて確認しましょう。内容を確認して、どの部分を変更する必要があるか、ほかの部分への影響はないかを精査します。 変えたい理由を整理する 次に、変更する理由を整理します。再婚、離婚、相続人の死亡、不動産の売却、受け取る人の変更など、理由によって必要な対応が変わります。 とくに、変更したい理由と併せて現在の状況を紙に書き出しておくと、変更点が整理しやすくなるだけでなく、専門家や公証役場へ相談する際の説明にも使えるため、おすすめです。 全部撤回して作り直すか、一部変更にするか決める 変更する内容が少なく、既に作成している遺言書との関係が明確であれば、一部の変更で足りる場合もあるでしょう。しかし、一部変更だと内容の正確性を担保するのが難しい場合もあるため、基本的にすべて撤回して新しく作り直すのがよいでしょう。 なお、広島もみじ法務事務所では、現在の遺言書を前提に、どの方法で作り直すのがよいかを整理する相談にも対応しています。自分で判断しにくい場合は、作成前の段階で相談しておくと安心といえるでしょう。 広島で遺言書を作り直す場合は専門家への相談がおすすめ これまで見てきたとおり、遺言書を作り直す際には押さえておくべきポイントがあります。ポイントを押さえずに作り直してしまうと、遺言書の有効性に問題が生じるだけでなく、遺言書が原因で相続トラブルになる可能性もあります。 また、作り直す際には、既に作成している遺言書との関係も考慮する必要があるため、自分だけで変更部分を判断して、適切な内容で作り直すことが難しい場合もあるでしょう。変更部分を正確に判断して、適切な内容で法的に有効な遺言書を作り直すためには、専門家に相談するのがおすすめといえます。 専門家には、大きく分けて弁護士、司法書士、行政書士がいます。それぞれの専門家ごとに特徴がありますが、専門家選びでもっとも重要なことは、遺言書や相続を専門としている専門家を選ぶことだといえるでしょう。 遺言書や相続を専門としている専門家であれば、遺言書の作り直しに精通しており、最適な方法や内容を提案できるため、安心してスムーズに遺言書を作り直せるでしょう。 FAQ|遺言書の作り直しでよくある質問 最後に、遺言書の作り直しに関して、よくある質問を紹介します。 既に作成している遺言書を破り捨てれば、確実に撤回したことになりますか? 手書きで作成する自筆証書遺言を自宅で保管している場合に限り、遺言者本人が故意に破棄したときは、撤回とみなされることがあります(民法1024条)。 新しい遺言書を作ったら、既に作成している遺言書は捨ててもよいですか? 捨ててもよいとは一概に言えません。作成経緯や前後関係を確認するため、資料として残しておいた方がよい場合もあります。 ただし、複数の遺言書が見つかると混乱する可能性もあるため、専門家と相談して方針を決めるのがよいでしょう。 認知症の診断を受けると遺言書は作り直せませんか? 認知症の診断を受けたら絶対に作り直せなくなる、というわけではありません。遺言書の内容を理解し、判断できる遺言能力があれば、作り直しが可能なケースもあるでしょう。 ただし、認知症の診断後に作成した遺言書は遺言能力が問題になる場合があるため、なるべくなら早めに作り直す方がよいといえます。詳しくは「広島で遺言書を作成するタイミングはいつ?先延ばしにするリスクと早めに準備すべき理由」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 公正証書遺言を作り直す場合、最初に作成した公証役場でしか手続きできませんか? 最初に作成した公証役場以外でも作成できます。たとえば、広島市の公証役場で作成したあとに、福山市や東広島市の公証役場で作り直すことも可能です。 遺言書の作り直しに回数制限はありますか? 法律上、回数制限はありません。ただし、何度も作り直すと、相続人が複数の遺言書を見つけて混乱することがあります。 作り直すたびに、最新の遺言書がどれか分かるようにしておきましょう。 法務局の保管制度を利用している場合、内容を変更するにはどうすればよいですか? 内容を変えたい場合、既に作成している遺言書の保管申請を撤回したうえで、新しい遺言書の保管申請をするのが一般的だといえるでしょう。 まとめ 遺言書は、一度作成した後でも作り直せます。家族関係や財産状況、自分の意志が変わった場合は、その都度内容を見直すことが大切です。 作り直すには大きく分けて2つの方法がありますが、既に作成している遺言書の内容をすべて撤回して、新しく作り直すのがおすすめといえるでしょう。 ただし、作り直す場合は、変更後の内容が適切であることはもちろん、既に作成している遺言書との関係を考慮する必要もあります。リスクを抑えて、安心して遺言書を作り直すためには、遺言書や相続を専門とする専門家に相談するのがおすすめといえるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、家族関係・財産状況を踏まえた安心できる遺言書の作成と生前対策をサポートできるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

再婚家庭の相続の注意点や広島で相続トラブルを防ぐ遺言書づくりのポイントを解説!

広島 遺言書 相談 夫婦

2026.05.26

広島で再婚した方のなかには、前婚の子や連れ子との関係で、相続について悩む方もいるでしょう。再婚した方の相続を円満にするためには、現状をしっかり整理することが大切です。 今回は、再婚した人の相続や、前婚の子との間で相続トラブルを防ぐポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてください。 再婚した方の相続の3つのポイント まずは、再婚した方が悩みやすい3つのポイントについて解説します。 前妻や前夫は相続人ではない 現在の配偶者は、常に相続人になります(民法第890条)。しかし、前妻や前夫は現在の配偶者ではないため、相続人になりません。 前婚の子どもは相続人になる 前妻や前夫と異なり、前婚の子どもとは離婚しても法律上の親子関係があるため、相続人になります。 再婚しても相手の連れ子は相続人にならない 連れ子は、養子になって初めて法律上の親子関係が生じて、実子と同じように相続人になります。 次の表は、ここまでの内容を整理した表になりますので、参考にしてください。 人物 相続の有無 再婚した相手の方 あり 前妻・前夫 なし 前婚の子 あり 再婚した相手の方との子 あり 再婚した相手の方の連れ子 原則なし また、相続人ごとに遺産を受け取れる割合が法律で決まっており、割合のことを相続分といいます(民法第900条)。よくあるケースでは、次のようになります。 相続人 相続分 再婚した相手の方+子ども それぞれ2分の1ずつ 再婚した相手の方+義理の両親 再婚した相手の方が3分の2、義理の両親が3分の1 再婚した相手の方+義理の兄弟姉妹 再婚した相手の方が4分の3、義理の兄弟姉妹が4分の1 再婚した相手の方のみ(ほかに相続人がいない) 再婚した相手の方がすべて取得 とくに、配偶者が遺産をすべて相続できるのは、基本的にはほかに相続人がいない場合のみですので、覚えておいた方がいいでしょう。詳しくは「子どもがいない夫婦にこそ遺言書が必要な理由と広島で作成するポイントを解説!」の記事をぜひ参考にしてください。 再婚した相手の方の連れ子に財産を残す2つの方法 ひとつめの方法は、養子にすることです。もうひとつの方法は、連れ子に財産を残す内容の遺言書を作成することです。 たとえば、「妻の連れ子に、広島市内の自宅を遺贈する」「妻の連れ子に、預貯金のうち500万円を遺贈する」といった内容の遺言書を作成しましょう。 前婚の子がいる方は遺言書を作るのがおすすめ 遺言書がないと、基本的には相続人同士で遺産を分ける話し合いをしなければなりません。前婚の子がいる場合、前婚の子との間に感情的な対立がある、関係性が疎遠で連絡を取っていないというケースが多く、話し合いがスムーズに進まない可能性があります。 そのため、前婚の子がいる方は、遺言書を作るのがおすすめです。遺言書を作っておくことで、基本的に再婚した相手の方やその子どもが前婚の子と財産を分ける話し合いをする必要がなくなるため、安心してスムーズに相続手続きを進められるでしょう。 遺留分への配慮が遺言書作成のポイント 再婚した方が遺言書を作成するとき、とくに注意すべきポイントが前婚の子の遺留分です。遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に法律で最低限認められている相続の割合のことです(民法第1042条)。 これまで見てきたとおり、前婚の子は相続人であるため、遺留分が認められます。そして、遺留分を侵害するような遺言書を作成すると、前婚の子から侵害された遺留分に相当する金銭を請求される可能性があるため、注意が必要といえるでしょう。 なお、遺留分の基本的な考え方や対策については、「遺留分を知らずに遺言書を作ると危険?遺留分の基本と対策を広島の行政書士が解説!」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 付言事項を残しておく 前婚の子を無視した内容ではなく、たとえば、相続分にしたがった財産を残す内容にすれば、遺留分によるトラブルは避けられるでしょう。 また、前婚の子の遺留分を侵害する内容の遺言書を作る場合、付言事項を残しておくことが大切です。付言事項とは、遺言書に自分の想いを自由に残せるメッセージのようなものです。 付言事項には法的な効力がありませんが、遺言書の内容を決めた理由や自分の想いを残しておくことで、前婚の子が遺留分侵害に理解を示して、請求を留まってくれる可能性があるでしょう。 なお、付言事項については「遺言書は付言事項が大切。書くべき理由や広島の具体例を分かりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 LINEで無料相談する 公正証書遺言と自筆証書遺言のどちらを選ぶべきか 遺言書を作る方法には、大きくわけて自筆証書遺言と公正証書遺言の2つがあります。 自筆証書遺言とは、手書きで作成する遺言書のことです。手書きで作成するため費用を抑えられる、いつでも書けるというメリットがありますが、法律で決められた形式を守っていないと無効になるリスクがあります。詳しくは「広島で遺言書を手書きで作るポイントとは?自筆証書遺言の書き方や注意点をわかりやすく解説!」の記事をぜひ参考にしてください。の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。 公正証書遺言とは、公証役場という場所で、法律の専門家である公証人が作成する遺言書のことです。専門家が作成するため、形式不備による無効のリスクを抑えられる、社会的な信用があり相続手続きがスムーズに進むなどのメリットがありますが、作成に費用や手間がかかるというデメリットがあります。 公正証書遺言をおすすめする理由 ここまで見てきたとおり、再婚した方の相続では、相続手続きがスムーズに進められない能性があるため、遺言書を作るのがよいといえます。しかし、せっかく作っても形式不備で無効になったり、内容に誤りがあったりすると、遺言書を作った意味がなくなるだけでなく、遺言書が原因で揉めてしまう可能性もあります。 したがって、形式不備で無効になる、内容に誤りがあるといったリスクが自筆証書遺言に比べて低く抑えられるため、公正証書遺言を作るのがおすすめといえるでしょう。 なお、公正証書遺言については「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 遺言書について専門家へ相談するべきケース これまで見てきたとおり、再婚した方の相続は複雑になりやすいです。また、前婚の子との関係はデリケートなケースが多く、再婚相手とその子どもとの間でトラブルにならないようにするためには、遺言書を作るのがおすすめといえます。 しかし、単に作ればよいというものではなく、前婚の子への遺留分に配慮した内容にするなど、専門的な知識や経験が必要な場合が多いでしょう。ここまでの記事を読んだ方のなかには、遺言書を作りたいと考えているものの、自分で作ることに不安を感じている方もいるでしょう。 少しでも不安がある方は、まずは専門家に相談するのがおすすめといえます。ここからは、専門家ごとに相談すべきケースについて詳しく見ていきましょう。 前妻の子との対立が予想される場合は弁護士に相談すべき 弁護士は法律の専門家であり、代理人となって相続トラブルを解決できるのは弁護士だけです。 前婚の子との関係が悪く、相続人同士の対立が予想される場合は、弁護士へ相談するのがよいでしょう。 不動産が多い場合は司法書士に相談すべき 司法書士は登記の専門家です。相続手続きでは、不動産がある場合は相続登記をする必要があります。 自宅だけでなく、賃貸物件や事業用不動産など所有している財産に不動産が多い場合は、将来の相続登記を見据えて司法書士に相談するのがよいでしょう。 紛争性が高くない場合は行政書士に相談すべき 行政書士は書類作成の専門家です。遺言書の作成にも対応でき、相続人の確認も含めて一括でサポートできます。 紛争性が高くない場合は、行政書士に相談するのがおすすめです。なかでも、遺言書や相続を専門としている行政書士に相談すれば、内容についての最適なアドバイスを受けながら、スムーズに作成できるでしょう。 広島で再婚した方の相続・遺言書でよくある質問 最後に、広島で再婚した方の遺言書や相続に関するよくある質問を見ていきましょう。 前妻・前夫と離婚した時点で、前婚の子は私の相続人ではなくなりますか? いいえ。離婚しても、前婚の子との親子関係は消滅しません。前妻・前夫との子は、実子として相続人になります。 再婚相手の連れ子を養子にする場合、前婚の子の承諾は必要ですか? 前婚の子の承諾は必要ではありません。 公正証書遺言を作成した後、内容を変更できますか? はい。一度作ったあとでも、新しい遺言書を作ることで、内容を変更できます。 広島の自宅で公証人に出張してもらうことはできますか? 病気や高齢などの事情で公証役場に行くことが難しい場合、公証人に自宅、病院、施設などへ出張してもらえる場合があります。ただし、出張の場合は手数料の加算、日当、交通費が必要になることがあります。 前婚の子の連絡先がわからない場合でも、遺言書は作成できますか? 前婚の子の連絡先は必須ではないため、遺言書の作成は可能です。 まとめ 再婚家庭では、前婚の子や再婚した相手の方に連れ子がいるかどうかで、相続の内容が変わります。離婚しても前婚の子は相続人になること、再婚した相手の方の連れ子は養子になって初めて相続人となることは、覚えておいた方がよいでしょう。 また、前婚の子がいる場合や、養子にせずに連れ子へ財産を残したい場合は、遺言書を作成するのがおすすめです。とくに、前婚の子がいる場合、遺言書がないと相続人同士の感情的な対立などにより相続トラブルが生じるケースもあるため、注意すべきでしょう。 再婚家庭の相続は複雑になりやすく、法的に有効で適切な内容の遺言書を作るためには、専門家に相談するのがよいといえます。とくに、遺言書や相続を専門とする専門家であれば、具体的なアドバイスを受けられるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所でさまざまな悩みを抱えた方々と真摯に向き合ってきた豊富な経験があり、本人だけでは気づけない悩みの原因や本心を明らかにする丁寧なヒアリングが強みです。 遺言書は手段であって目的ではありません。まずは無料相談を活用して、自分の想い、悩みや不安を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

広島のおひとりさまが遺言書を作るべき3つの理由と押さえたいポイントを解説!

広島 遺言書 相談

2026.05.21

おひとりさまのなかには、万が一のときはお世話になった友人に財産を残したい、地域社会に役立つ寄付がしたいと考えている方も多いでしょう。おひとりさまが自分の希望を叶えるためには、遺言書が重要になります。 今回は、おひとりさまの相続の仕組みや、遺言書を作るべき3つの理由とポイントを解説します。何から始めればよいかわからないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 遺言書がないおひとりさまの相続はどうなる? 一般的に、おひとりさまとは他の親族が既に全員亡くなって相続人がいないケース、兄弟姉妹、甥や姪はいるものの、関係が疎遠で頼れる身寄りの方がいないケースです。 おひとりさまのうち、疎遠ではあるが兄弟姉妹などがいる方の場合、兄弟姉妹、甥や姪が相続人となります。そして、おひとりさまが残した財産は、相続人同士で話し合って分けることになります。 それでは、相続人がいないおひとりさまの場合、相続はどうなるのでしょうか。相続人がいない場合、特別縁故者が相続することになり、特別縁故者もいないときは、最終的に国がおひとりさまの残した財産を受け取ることになります。 特別縁故者に該当する人 特別縁故者は、内縁関係にある人、長年介護や看護をしてくれた人、身元生活を支えてくれた知人など、おひとりさまと生前深い関りがあった方が該当する可能性があります。また、個人だけではなく、法人や団体が該当するケースもあります。 ただし、家庭裁判所の手続きで特別縁故者と認められない限り、おひとりさまが残した財産を相続できません(民法第958条の2)。したがって、生前に深い関りがあった人がいたとしても、当然に特別縁故者として相続できるわけではないことは、覚えておいた方がいいでしょう。 残った財産は国庫に帰属する可能性 特別縁故者もいない場合、おひとりさまの残した財産は、最終的に国が受け取ることになります(民法第959条)。国が受け取ること自体は決して悪いことではありませんので、残った財産は国に帰属しても構わないと考えているおひとりさまの方は、とくに問題はないでしょう。 しかし、生前にお世話になった人や団体に残したい、広島県内の地域活動に役立てたいといった希望がある場合、国が財産を受け取ることになると希望が叶わなくなるため、注意が必要です。 おひとりさまが遺言書を作成すべき理由 これまで見てきたとおり、遺言書がないおひとりさまの場合、疎遠な親族が相続する、最終的に国が受け取るなど、法律で決められたとおりに財産が分けられることになります。したがって、万が一のことがあったら財産を寄付したい、お世話になった人に財産を残したいという希望があっても、遺言書がないと希望を叶えることは難しいでしょう。 そこで、財産を誰に、どのように残したいかについて希望がある場合は、遺言書を作成しておくことが大切です。遺言書を作成すれば、財産を残す相手と残す財産の内容を、自分の意志で自由に決められます。 たとえば、長年面倒を見てくれた友人に感謝の気持ちを込めてお金や不動産を残す、生まれ育ってきた地域社会へ貢献するために財産をすべて寄付するなど、希望に沿った内容で作成できます。 つまり、財産の分け方について希望があるおひとりさまの方は、遺言書を作成することによって、思い描いている希望を叶えられるようになるといえるでしょう。 なお、遺言書を作成する場合は、実際に遺言の内容を実現してくれる遺言執行者を指定しておくことで、より確実に希望を叶えられるようになるため、覚えておきましょう。遺言書の内容を実現する方法については「遺言書の内容を実現するには?広島の遺言執行の手続きと注意点をわかりやすく解説」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 自筆証書遺言と公正証書遺言の選び方 遺言書を作成する場合、いくつかある方法のなかから最適なものを選ぶ必要があります。一般的に検討されることが多いのは、自筆証書遺言と公正証書遺言の2つでしょう。 ここからは、遺言書の2つの作成方法についてメリットとデメリットを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 自筆証書遺言のメリットとデメリット 自筆証書遺言のメリットは、自分で手書きで作成できるため、手軽に作成できて費用も抑えやすいことです。 デメリットは、形式の不備によって無効になるリスクが高いことです。法律で決められている形式で正しく作成しないと、遺言書の一部が無効になるだけでなく、最悪の場合全体が無効になる可能性もあるため、注意が必要です。 ただし、法務局の保管制度を利用すれば、形式については第三者である職員が確認してくれるため、不備による無効のリスクを抑えられるでしょう。 なお、自筆証書遺言については「広島で遺言書を手書きで作るポイントとは?自筆証書遺言の書き方や注意点をわかりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 公正証書遺言のメリットとデメリット 公正証書遺言のメリットは、法律の専門家である公証人が作成してくれるので、形式の不備などで無効になるリスクを抑えられることです。また、一般的に社会的な信用性が高く、相続手続きがスムーズに進められることも、メリットのひとつといえるでしょう。 デメリットは、作成のための費用や準備の手間がかかることです。費用は財産額などによって異なり、おおよそ数万円程度になる場合がおおいでしょう。また、作成のための準備として、戸籍や財産に関する資料などを集める必要があります。 おひとりさまは公正証書遺言がおすすめ おひとりさまの場合は、公正証書遺言がおすすめといえます。形式の不備などによって無効になるリスクを抑えられるだけでなく、公証人が希望に沿った内容で作成してくれるため、おひとりさまの希望を叶えやすいでしょう。 ただし、公証人は内容の相談については応じられないため、どのような内容にするかは自分で考える必要があります。また、せっかく遺言書を作成しても、亡くなったあとに見つけてもらえなければ意味がありません。 とくに、おひとりさまの場合は、遺言書の存在を伝えられる相手を検討して、忘れないように伝えておくことが重要なポイントになります。必ず、信頼できる方に遺言書があることを伝えておくようにしましょう。 ここまでの内容を以下の表で整理したので、参考にしてください。 比較項目 自筆証書遺言 公正証書遺言 作成方法 本人が手書きで作成 公証人が作成 費用 比較的抑えやすい 財産額などに応じた手数料が必要 証人 不要 証人2人が必要です 保管 自宅または法務局保管制度 原本は公証役場で保管されます 無効のリスク 形式不備によるリスクが高い 形式不備によるリスクが低い 向いている人 内容が単純で、自分で正確に書ける人 無効のリスクを避け、確実性を高くしたい人 なお、公正証書遺言については「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 LINEで無料相談する おひとりさまの遺言書の作成で押さえておくべき5つのポイント ここからは、おひとりさまが希望を叶える遺言書を作成するために、押さえておくべき5つのポイントを解説します。 相続人と財産を整理する 最初に、相続人と財産を整理しましょう。まずは、両親や兄弟姉妹など、相続人になる人がいるかどうかをわかる範囲で確認して整理します。 次に、預貯金、不動産、保険など、所有している財産を通帳や保険証券などの資料で確認して整理します。とくに、プラスの財産だけでなく、借入金や保証債務などの負債についても確認することが大切です。 誰に何を残すかを具体化する 相続人と財産を整理したら、誰に何を残したいかを具体的に検討しましょう。「友人に預貯金を渡す」「福祉団体へ寄付する」「自宅不動産は売却して費用を差し引いた残額を団体へ遺贈する」など、自分の希望を整理して内容を具体化します。 なお、友人や団体などの第三者に財産を渡す場合、氏名や住所などの渡す相手の情報が必要になるため、事前に確認しておくのがよいでしょう。 遺言書の内容を実行する人を決める 遺言書のおおよその内容が決まったら、亡くなったあとに内容を実行してくれる人を決めましょう。一般的には、財産を渡したい友人や、専門家を選ぶ場合が多いです。 ただし、友人を選ぶ場合は、事前に了承を得ておくようにしましょう。 付言事項を検討する 付言事項とは、法的な効力はないものの、自分の思いを自由に残せるメッセージのようなものです。付言事項を残しておくことで、遺言書を作成した理由や、お世話になった人への感謝の気持ちを伝えられるでしょう。 なお、付言事項については「遺言書は付言事項が大切。書くべき理由や広島の具体例を分かりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 遺言書を作成する方法を決める 内容がすべて決まったら、自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらで作成するかを決めましょう。それぞれ特徴、メリット、デメリットが異なるため、比較検討して適切な方法を選ぶことが大切です。 遺言書を定期的に見直す 遺言書は、一度作ったら終わりではありません。財産を含めて自分の状況が変化した場合など、既に作成した内容が適切ではない場合があるため、定期的に見直すことが重要なポイントになります。 とくに、財産を渡す予定だった相手が亡くなった、法改正があったなど、大きな変化があった場合には、必ずその都度確認するようにしましょう。 遺言書は、一度作成したあとも修正できます。定期的に見直して、適切な内容にしておくようにしましょう。 広島のおひとりさまが遺言書と併せて検討しておくべき3つのポイント おひとりさまの場合、万が一のときの備えとして、遺言書の作成以外にも押さえておきたいポイントがあります。 ここからは、広島のおひとりさまが遺言書と併せて検討しておくべき3つのポイントについて解説します 死後事務委任契約で葬儀などを任せる 遺言書は財産の行き先を決めるために重要ですが、葬儀・納骨・遺品整理・公共料金の解約・医療費や施設費の精算など、亡くなったあとの手続きまで対応できる書類ではありません。亡くなったあとの手続きを誰かに任せるためには、死後事務委任契約をする必要があります。 死後事務委任契約とは、本人が亡くなったあとの葬儀などの手続きを、あらかじめ信頼できる友人や専門家に任せておくための契約です。したがって、おひとりさまの場合、万が一に備えて財産の行き先は遺言書で決めて、亡くなったあとの手続きは死後事務委任契約で誰かに任せておけば、安心といえるでしょう。 任意後見契約で判断能力の低下に備える 認知症などで判断能力が低下すると、生活支援が必要になる場合が多いですが、遺言書だけでは対応できません。認知症などに備えておくためには、任意後見契約をするのが対策のひとつになります。 任意後見契約とは、将来判断能力が低下した場合に備えて、生活の支援をお願いする人と支援の内容を決めておく契約です。たとえば、認知症により預貯金の管理ができなくなる、施設へ入所する場合などの契約が難しくなるといった問題に備えるためのといえます。 任意後見契約をすることで、認知症などで生活支援が必要になる場合にも備えられるため、おひとりさまの方は遺言書と併せて検討してみるのがよいでしょう。 なお、認知症などが原因で判断能力が低下した場合、遺言書が作成できなくなるケースがあるため注意が必要です。詳しくは「広島で遺言書を作成するタイミングはいつ?先延ばしにするリスクと早めに準備すべき理由」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 民事信託契約の活用 民事信託契約とは、財産の管理を第三者に任せるための契約です。所有している財産のうち、第三者に管理してほしい財産を選ぶことで、選んだ財産の管理を第三者に任せられるようになります。 任意後見契約でも財産の管理をお願いすることは可能ですが、大きな違いは判断能力がなくなる前から管理をお願いできることです。また、任意後見契約と併せることで、あらかじめ管理を任せる財産と判断能力が低下してから管理を任せる財産を分けられるため、将来への備えを万全にしたいおひとりさまにはおすすめの方法といえます。 おひとりさまの遺言書は専門家に相談するのがおすすめ おひとりさまが遺言書を作成するべき理由については、これまで見てきたとおりです。おひとりさまの相続では、遺言書がない場合は疎遠な相続人や国が財産を受け取ることになります。お世話になった人にお礼がしたい、これからの社会に貢献したいなど、ひとつでも叶えたい希望がある場合は、遺言書を作成するのがよいでしょう。 遺言書は、自分で作成することもできます。しかし、作成には専門的な知識や経験が必要になるため、どのように作成したらよいかわからないと悩まれる方も多いです。 そのため、おひとりさまの遺言書の作成は、専門家に相談するのがおすすめといえます。相談できる専門家には、大きく分けて弁護士、司法書士、行政書士がいますので、それぞれどのようなケースで相談するべきか、詳しく見ていきましょう。 弁護士に相談したいケース 相続トラブルが生じる可能性が高い場合は、弁護士へ相談するのがおすすめです。たとえば、相続人となる親族と既に対立している、遺言書が無効だと相続人から主張される可能性があるといったケースは、弁護士へ相談するようにしましょう。 司法書士に相談したいケース 複数の不動産を所有している場合は、司法書士に相談するのがおすすめです。司法書士は登記の専門家であり、不動産の相続登記を代理できます。 たとえば、広島県内に自宅、土地、賃貸物件など複数の不動産がある場合は、相続登記も見据えて司法書士へ相談するようにしましょう。 行政書士への相談をおすすめするケース 相続トラブルの可能性がなく、不動産が自宅と土地だけなど相続登記の負担が少ない場合は、行政書士に相談するのがおすすめです。行政書士は書類作成の専門家であり、遺言書の作成だけでなく、任意後見契約や死後事務委任契約なども対応できます。 とくに、遺言書や相続を専門にしている行政書士に相談するのがおすすめといえるでしょう。 FAQ(よくある質問) 最後に、おひとりさまの遺言書についてよくある質問を見ていきましょう。 広島でおひとりさまが遺言書を作るなら、自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらがよいですか? 相続人がいない可能性がある、親族と疎遠、第三者や団体に財産を残したい、不動産があるといった場合は、公正証書遺言を優先して検討するのがおすすめです。形式不備や未発見のリスクを抑えられます。 ただし、財産内容が単純で費用を抑えたい場合は、自筆証書遺言と法務局の保管制度を組み合わせる方法もあるでしょう。 相続人がいない場合、遺言書がなければ財産は必ず国が受け取りますか? 必ず国が受け取るわけではありません。特別縁故者に該当する方も含めて相続する人がいない場合に、最終的に国が受け取ることになります。 お世話になっている人は特別縁故者になれるので、財産を残したい場合でも遺言書は不要ですか? 不要とはいえません。特別縁故者になるかは家庭裁判所の手続きによって判断されるため、生前お世話になっていたからといって必ず認められるとは限りません。 遺言書を作成しておき、お世話になった方に財産を残す内容にしておくのがよいでしょう。 法務局の保管制度を使えば、遺言書の有効性も保証されますか? 保証されません。法務局の保管制度では、遺言書の形式については確認されますが、内容については確認されません。 内容に不安がある場合は、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家へ相談しましょう。 死後事務委任契約と遺言書はどちらを先に作るべきですか? それぞれ役割が異なるため、一概にどちらを先に作るべきとは判断できません。まずは相続人や財産を整理して、自分の希望を叶えるためには何が必要か、何から始めるべきかを具体的に検討したうえで進めるのがよいでしょう。 遺言執行者は友人でもよいですか、それとも専門家がよいですか? 友人を遺言執行者に指定することは可能です。ただし、預貯金の解約や不動産の相続登記などの専門的な手続きを進める必要があるため、大きな負担になる場合もあるでしょう。 基本的には、専門家に相談するのがおすすめといえます。 まとめ おひとりさまの相続では、遺言書がない場合、基本的に疎遠な兄弟姉妹が相続人となって財産を相続し、相続人が誰もいないときは最終的に国が財産を受け取ることになります。 お世話になった友人にお礼がしたい、地域社会に寄付して貢献したいなどの希望を叶えるためには、遺言書を作成しておくことが大切です。遺言書を作成すれば、自分の財産を誰に、どのようにして渡すかを決められるため、思い描いている希望を叶えられるでしょう。 遺言書は自分でも作成できますが、無効になるリスクを抑えて希望に沿った最適な内容にするためには、専門家に相談するのがおすすめです。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、家族関係・財産状況を踏まえた安心できる遺言書の作成と生前対策をサポートできるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

広島で遺言書を作るべき8つのパターンと作成のポイントを解説!

広島 遺言書 相談

2026.05.12

「自分は遺言書を作っておくべきなのだろうか」と悩んでいる方は多いでしょう。実は、遺言書がないことで相続トラブルが生じるケースがあり、該当する方は早めに準備をするのがよいといえます。 今回は、広島で遺言書を作るべき人の8つのパターンと、パターンごとの作成のポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてください。 遺言書とは何か 遺言書とは、遺言者が亡くなったあとの遺産の分け方などについて記載した法的な文書のことです。たとえば、所有している自宅と土地を配偶者に渡す、預貯金を子どもに渡すといった内容の遺言書を書くことで、遺言者が亡くなったあとは基本的に記載されたとおりに遺産を分けるようになります。 相続トラブルは一般家庭でも起こりうる 「遺言書は、遺産の分け方で揉めやすい富裕層の家庭以外は関係ないだろう」と考えている方は多いでしょう。しかし、相続トラブルが生じる原因は、財産の種類や金額によるものばかりではありません。たとえば、最高裁判所の令和6年度の統計によると、家庭裁判所が取り扱った遺産分割の事件数は15,379件であり、そのうち遺産価額が5,000万円以下のケースが全体の約76%を占めています。 したがって、相続トラブルは富裕層の家庭だけの問題ではなく、一般的な家庭でも生じる可能性があるといえます。安易に「うちは大した財産がないから大丈夫」と考えるのは、注意が必要といえるでしょう。 広島で遺言書を作るべき人とは? ここまで見てきたとおり、相続トラブルは富裕層以外の一般的な家庭でも生じる可能性があるものです。そして、相続トラブルが生じる原因はさまざまですが、なかには遺言書がないことでトラブルになりやすいケースも数多く存在します。 以下の表は、遺言書がないことで相続トラブルが生じやすい代表的なケースと、ケースごとの主なリスク要因をまとめたものです。 No. 代表的なケース 主なリスク要因 1 子どもがいない夫婦 配偶者と兄弟姉妹で遺産分割を協議する可能性あり 2 前の配偶者の子がいる再婚夫婦 相続人同士の遺産分割協議が困難になりやすい 3 相続人がいないおひとりさま 最終的に財産が国庫に帰属する 4 法定相続分と異なる配分を希望 遺産分割は法定相続分が原則 5 不動産が主要財産 現物分割が困難、共有化のリスク 6 事業承継・自社株式 株式分散による経営権の不安定化 7 内縁関係・事実婚 パートナーに法定相続権がない(民法第890条) 8 法定相続人以外に財産を渡したい 遺贈は遺言が必須(民法第964条) ここからは、代表的なケースごとに、遺言書がないことで相続トラブルが生じる理由や、作成のポイントについて詳しく解説します。 子どもがいない夫婦 子どもがいない場合、残された配偶者は義理の両親、または義理の兄弟姉妹と一緒に相続人になり、遺産を法律で決められた割合で分けることになります。つまり、基本的には配偶者がすべての遺産を相続できないということです。 一般的には、残された配偶者は義理の兄弟姉妹と一緒に相続人となり、相続人同士で遺産分割協議をする場合が多いでしょう。しかし、義理の兄弟姉妹とは関係が疎遠なことが多く、協議がスムーズに進められないことで精神的な負担が大きくなるケースもあります。 しかし、残された配偶者にすべての遺産を渡す内容の遺言書を作成しておくことで、配偶者は義理の兄弟姉妹と一緒に相続する必要がなくなります。とくに、義理の兄弟姉妹には遺留分という法律で決められた最低限の相続の割合がないため、相続トラブルが生じるリスクも低いといえるでしょう。 子どもがいない夫婦は、遺言書を書くべき典型的なケースといえます。子どもがいない夫婦の遺言書については「子どもがいない夫婦にこそ遺言書が必要な理由と広島で作成するポイントを解説!」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 再婚しており、以前の配偶者との間に子がいる 以前の配偶者との間の子も相続人になるため、再婚家庭では相続関係が複雑になりやすいといえるでしょう。たとえば、再婚家庭において、現在の配偶者との間には子どもがおらず、以前の配偶者との間に子どもがいる方が亡くなった場合、現在の配偶者と以前の配偶者との間の子どもが相続人になるため、遺産分割協議をする必要があります。 しかし、以前の配偶者との間の子どもとは疎遠であり、そもそも連絡が難しいというケースも多いでしょう。とくに、亡くなった方の子どもである以上は遺留分が認められるため、遺産の分け方について協議がまとまらず、相続トラブルになる場合もあります。 以前の配偶者との間に子どもがいる方は、遺言書で相続人ごとに遺産をどのように分けるかを決めておくことで、相続人同士で遺産分割協議をする必要がなくなるため、相続トラブルのリスクを抑えられるでしょう。ただし、以前の配偶者との間の子どもには遺留分が認められるため、遺留分に配慮した内容にすることが大切です。 遺留分については「遺留分を知らずに遺言書を作ると危険?遺留分の基本と対策を広島の行政書士が解説!」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 相続人がいないおひとりさま 配偶者や子どもなどの相続人になるべき人がいないおひとりさまが亡くなると、内縁の配偶者などの特別縁故者に該当する人がいない場合、遺産は最終的に国がもらうことになります。したがって、自分の遺産をお世話になった人や特定の団体などに渡したい場合、遺言書で遺産を渡す相手を指定しておく必要があります。 亡くなった後の遺産の行き先を自分の意志で決めたいおひとりさまの方は、遺言書を書いておくべきだといえるでしょう。 特定の家族に多く渡したい 「同居して介護してくれた長女に遺産を多く渡したい」「家業を継いだ長男に事業用資産として遺産をまとめて承継させたい」と考えている方は多いでしょう。相続人が遺産を相続する割合は法律で決まっていますが、遺言書を書くことで、基本的には相続する割合を自由に指定できます(民法第902条)。 ただし、相続する割合を自由に指定できるといっても、相続人に遺留分が認められる場合には、遺留分を侵害してしまうと相続トラブルにつながる可能性があるため、十分に配慮した内容の遺言書を書いておくようにしましょう。 不動産が主要財産 遺産の多くが不動産で構成されている場合、遺産分割によって相続人間で公平に不動産を分けることが技術的に難しくなる可能性があります。不動産の主な分割方法は次の4つですが、それぞれに問題点があります。 分割方法 内容 問題点 現物分割 不動産そのものを分ける 物理的に分けられない場合が多い 代償分割 1人が取得し他の相続人に金銭で支払う 取得者に支払い能力が必要 換価分割 売却して代金を分ける 売却に全員の同意が必要 共有 相続人全員で持分を共有 将来的な処分・管理で再度合意が必要 遺産の多くが不動産の場合、遺言書で「自宅は配偶者に、収益不動産は長男に」のように不動産ごとに渡す相手を指定することで、相続人同士で不動産の分け方について悩む必要がなくなるでしょう。 事業承継 広島県は製造業を中心とした中小企業の集積地であり、事業承継ニーズが高い地域です。中小企業のオーナー社長にとっては、自社株式の相続は自分が亡くなったあとの会社の経営そのものを左右する重要課題といえるでしょう。 一般的に、株式が複数人に共有されると、権利行使にあたっては共有者の中から代表者を1人定める必要があります。つまり、相続によって自社株式が複数の相続人に分散する共有状態になると、経営判断のたびに調整が必要となり、迅速な意思決定が困難になる可能性があるでしょう。 中小企業のオーナー社長が亡くなったあとも円滑に事業を継続するためには、後継者に自社株式を渡す内容の遺言書を作っておくのがよいでしょう。 ただし、自社株式を後継者にすべて相続させると、後継者以外の相続人の遺留分を侵害する場合があり、後継者が遺留分侵害請求によって多額の金銭の支払いを迫られる可能性もあるため、注意が必要です。 内縁関係のパートナーがいる 「長年連れ添った内縁のパートナーに遺産を残したい」と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、基本的に内縁関係だと法律上の配偶者にはあたらないため、相続人として認められず、遺産を何も相続できません。 そこで、遺言書が重要となります。内縁のパートナーに遺産を渡す内容の遺言書を書くことで、本来相続人になれない内縁のパートナーに遺産を残せます。内縁のパートナーがいる方にとっては、残されたパートナーの生活を守るための唯一の手段といえるでしょう。 相続人以外に遺産を渡したい 長年お世話になった友人や団体など、相続人以外に遺産を渡したい方もいるでしょう。基本的に、法律で決まっている相続人以外は遺産を相続できませんが、遺言書で渡す相手と遺産を指定することで、相続人以外にも遺産を渡せます。 相続人がいる方で、相続人以外にも遺産を残したい場合は、遺言書を書くことで自分の想いが実現できるようになるでしょう。 LINEで無料相談する 遺言書は自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選ぶべきか 「遺言書を書くべき理由は分かったけれども、どのような方法で作るのがよいかわからない」と、ここまでの記事を読んで悩んでいる方もいるでしょう。遺言書を書く方法は大きく分けて3種類ありますが、一般的に選ばれるのは自筆証書遺言と公正証書遺言であり、以下のような違いがあります。 比較項目 公正証書遺言 自筆証書遺言 作成場所 公証役場(出張も可能) 主に自宅 証人 2人以上必要 不要 費用 財産額に応じた手数料 0円 無効リスク 極めて低い 相対的に高い 紛失・改ざんリスク なし あり 検認 不要 必要(民法第1004条) 内容の専門的助言 公証人が形式面を確認 なし ここからは、自筆証書遺言と公正証書遺言の特徴について解説します。 公正証書遺言は無効のリスクが低く確実性が高い 公正証書遺言は、公証役場で作成できる遺言です。法律の専門家である公証人が遺言内容を聴取して作成するため、形式不備による無効リスクを抑えられます。また、原本は公証役場で保管されるため紛失・改ざんの心配がなく、遺言を実現する際に家庭裁判所での検認手続きをしなくてよいという特徴もあります。 広島県内には、以下の6か所に公証役場がありますので、参考にしてください。 公証役場 所在地 広島公証人合同役場 広島県広島市中区中町7-41 三栄ビル9階 東広島公証役場 広島県東広島市西条西本町東広島市西条西本町28-6 サンスクエア東広島4階 呉公証役場 広島県呉市中央3-1-26 第一ビル3階 尾道公証役場 広島県尾道市新浜2-5-27 大宝ビル5階 福山公証役場 広島県福山市若松町10-7 若松ビル3階 三次公証役場 広島県三次市十日市南1-4-11 なお、作成には手数料が必要となり、一般的なケースで5万円〜15万円程度かかる場合が多いでしょう。 形式不備による無効のリスクを抑えて、確実性が高い遺言書にしたい方には、おすすめの方法といえます。公正証書遺言については、こちらの「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。 自筆証書遺言はいつでも書けるが形式不備による無効のリスクに注意 自筆証書遺言は、遺言者自身が手書きで作成する遺言書です。手書きで作成できるため費用がかからないことや、いつでも自由に書けることが特徴といえるでしょう。 しかし、自筆証書遺言は法律で決まっている形式を満たさないと無効になるリスクがあります。とくに、手書きで作成する必要があるため、誤記や訂正には十分な注意が必要です。 費用を抑えて遺言書を書きたい人には、おすすめの方法といえます。自筆証書遺言については、こちらの「自筆証書遺言の書き方や広島で作成するポイントをわかりやすく解説!」の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。 FAQ(よくある質問) ここからは、遺言書についてよくある質問について見ていきましょう。 Q1: 広島で公正証書遺言を作るときの費用相場はどれくらいですか? 基本的には財産額によって変動します。たとえば、財産額1,000万円のケースで17,000円、3,000万円で29,000円、5,000万円で43,000円程度が目安になるでしょう。 また、証人を公証役場で紹介してもらう場合、証人手数料として証人ひとりあたり1万円程度が別途必要になるでしょう。 Q2: 認知症が進行している親に遺言を書いてもらうことはできますか? 遺言書を書くためには、内容を理解して意思決定できる能力である遺言能力が必要です。そのため、認知症が進行して遺言能力を欠く状態だと、遺言書を書いても無効になる可能性があるため、早めに専門家に相談するのがよいでしょう。 Q4: 遺言書を書いた後で内容を変更することはできますか? 可能です。遺言者は、いつでも遺言の全部または一部を変更できます(民法第1022条)。 したがって、一度作ったら2度と変更できないというわけではなく、基本的には新しい遺言書を作成することが可能です。 Q5:遺留分を侵害する遺言は無効になりますか? 遺留分を侵害する遺言であっても基本的にはならず、法律で決まっている要件を満たしていれば有効になるでしょう。ただし、遺留分を侵害された相続人は、遺留分を侵害している相続人に対して侵害された金額に相当する金銭の支払いを請求できるため、注意が必要です(民法第1046条)。 広島で遺言書の準備を始めるなら専門家に相談するのがおすすめ 広島で遺言書を作るべき人や作るべき理由については、これまで見てきたとおりです。ここまでの記事を読んだ方のなかには、ご自身が書くべきケースに該当しており、遺言書の準備を始めた方がいいのではないかと考えている方も多いでしょう。 遺言書の準備を始めたい方は、行政書士、司法書士、弁護士といった専門家に相談するのがおすすめといえます。なかでも、遺言相続を専門としている専門家に相談すれば、内容について的確なアドバイスが受けられ、相続トラブルのリスクを抑えつつ、自分の希望を実現できる遺言書が書けるでしょう。 まとめ 今回は、広島で遺言書を作るべき人の8つのパターンと、パターンごとの作成のポイントについて解説しました。 遺言書を作るべき人が何もしないまま亡くなってしまうと、さまざまな相続トラブルが生じる可能性があります。とくに、おひとりさまや内縁関係の方など、遺言書がないと遺産を自分の希望どおりに残せないケースもあるため、注意が必要といえるでしょう。 遺言書を作るべきケースに該当している方は、少しでも早く準備を進めることが大切です。準備にあたっては、遺言書を専門にしている行政書士や司法書士などの専門家に相談するのがおすすといえるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、家族関係・財産状況を踏まえた安心できる遺言書の作成と生前対策をサポートできるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

遺言書は付言事項が大切。書くべき理由や広島の具体例を分かりやすく解説!

広島 遺言書 相談

2026.04.29

「遺言書が原因で相続で揉めないだろうか」と不安に思っている方も多いでしょう。相続トラブルを防ぐためには、遺言事項だけでなく、付言事項が重要なポイントになります。 今回は、付言事項の基本だけでなく、書き方の具体例や書くべき理由などを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。 遺言書の付言事項とは? 付言事項とは、遺言者が自由に書けるメッセージのことです。一般的には「家族への想い」「財産の分け方を決めた理由」「葬儀やお墓への希望」などが書かれる場合が多いでしょう。 書き方の形式や内容に厳密なルールはないため、遺言者が内容を自由に考えて書ける点が特徴といえるでしょう。 遺言事項と付言事項の違い 遺言書に書けるのは、大きく分けると「遺言事項」と「付言事項」の2つです。遺言事項とは、法的な効力を生じさせる内容であり、遺産の分け方や子どもの認知など、法律で決められたことしか書けません。 一方、付言事項は法的な効力を生じさせません。そして、形式や内容の自由度が高いため、遺言者のメッセージを残すための手段として活用される場合が多いでしょう。両者の違いを表で整理すると、以下のとおりです。 項目 法定遺言事項 付言事項 定義 法的効力を生じさせる一定の記載 法的効力を生じさせない自由な記載 法的な効力 あり なし 記載例 相続分の指定、遺贈、認知 など 感謝のメッセージ、分配理由、葬儀の希望 民法の根拠 民法第902条、第964条 ほか 直接の規定はなし 自由度 法律で定められた範囲に限定 形式・内容ともに自由 広島で遺言書に付言事項を記載するべき理由 「法的な効力を生じさせないなら、付言事項を書く意味はないのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、相続においては、付言事項の有無が影響を与えるケースも少なくありません。 ここでは、付言事項を書くべきとされる3つの理由を見ていきましょう。 感情的な相続トラブルを防げる可能性がある 法的に有効な遺言書であっても、遺言者の真意がわからなければ、相続人が「なぜ自分だけ少ないのか」「誰かが遺言者に圧力をかけたのではないか」といった疑念を抱く可能性があります。 そして、相続人が抱いた疑念が負の感情の発端となり、相続人同士の感情的なわだかまりが原因で相続トラブルが生じるケースも少なくありません。つまり、相続トラブルは、相続人同士の遺産の分け方だけが原因ではないということです。 付言事項には、相続人が不要な疑念を抱くことを防ぐ効果が期待できます。遺言者が、自身が決めた遺産の分け方の理由や相続人への想いなどを書いておくことで、相続人の理解が得られ、相続人同士の感情のこじれを未然に防ぐ効果が期待できるといえるでしょう。 遺留分侵害額請求を思いとどまってもらえる可能性がある 遺留分とは、法律で相続人に保証された最低限の相続の割合(民法第1042条)のことであり、兄弟姉妹以外の相続人に認められています。相続人に認められている遺留分は以下のとおりです。 相続人の構成 遺留分の割合 配偶者のみ 1/2 配偶者と子 1/2 配偶者と直系尊属 1/2 子のみ 1/2 直系尊属のみ 1/3 兄弟姉妹のみ なし 遺言書で特定の相続人に多くの遺産を残しても、ほかの相続人の遺留分を侵害している場合は、侵害された相続人は遺留分侵害額請求ができます(民法第1046条)。遺留分侵害額請求があると、基本的に金銭の支払いによって解決することになるため、結果として遺言者が希望したとおりの遺産の分け方が実現できなくなる場合もあるでしょう。 しかし、付言事項があれば、遺留分を侵害された相続人からの請求を予防できる可能性があります。遺産の分け方を決めた理由などを丁寧に書いておくことで、遺留分を侵害された相続人が理由に納得して、遺言者の意思を尊重して請求を控える場合もあるでしょう。 付言事項は「家族の心理的な遺産」になる 付言事項は、金銭的な価値を持たない一方で、家族にとって精神的な支えになる側面があります。「母さんはこう思っていたんだね」「父さんから最後にこう伝えてもらえてよかった」といった想いの共有は、家族の絆を再確認する機会になり、家族の幸せな生活に繋がるでしょう。 遺言書に付言事項として書ける内容と具体的な書き方を紹介 付言事項は自由に書けるため、何をどう書けばよいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは、書ける内容の典型例、書かない方がよい内容、そして、書く場合の形式について順を追って紹介します。 付言事項に書ける主な5つの内容 付言事項に決まったテンプレートはありませんが、以下のようなパターンが一般的といえるでしょう。 家族への感謝のメッセージ 例:「これまで支えてくれた妻に、心から感謝しています」 財産の分け方を決めた理由 例:「自宅と預貯金を長女に多く残すのは、長年介護をしてくれたお礼の気持ちからです」 葬儀・お墓・供養の希望 例:「葬儀は家族のみで、簡素に執り行ってほしい」 遺された家族への願い 例:「兄弟仲良く、互いに助け合って生きていってほしい」 遺留分への配慮(請求しないでほしい旨など) 例:「ほかの相続人には、遺産の分け方の理由を理解し、遺留分の請求は控えてほしい」 なお、繰り返しになりますが、遺留分への配慮について記載しても、遺留分を侵害された相続人が請求できなくなるわけではないことは、覚えておいた方がよいでしょう。 書かない方がよい内容 自由に書けるからこそ、書き方を誤ると逆効果になることがあります。とくに、以下のような内容は、相続人同士が揉める原因になる可能性があるため、書かない方がよいでしょう。 特定の相続人を強く非難する内容 思い違いや一方的な解釈による記載 他の相続人を侮辱するような表現 書き方に迷う場合は、専門家に文言を相談するのがよいでしょう。 LINEで無料相談する 付言事項を書く位置や書く方法 一般的には、遺言書の最後に書くことが多いでしょう。また、書く方法は遺言書の種類によって変わります。 たとえば、自筆証書遺言の場合は、遺言者が手書きで書く必要があります。一方で、公正証書遺言の場合は、公証人が遺言者に代わって書くことになります。 なお、自筆証書遺言の場合は、原則として付言事項も含めて全文を自筆で記す必要があり、法律で決められた様式を守らないと無効になる可能性があります。無効になるリスクを抑えて安全に遺言書を作成したい場合は、公正証書遺言を選ぶのがよいでしょう。詳しくは「自筆証書遺言の書き方について、作成ルールや注意点をわかりやすく解説」や「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 広島で遺言書の付言事項の有無が相続に与える影響を事例で紹介 ここからは、付言事項の有無が相続に与える影響を具体的にイメージしてもらえるように、代表行政書士が経験してきた実際の事例を2つ紹介します。 付言事項によって遺留分トラブルを予防できたケース 広島市内に住む80代の父親が、自宅と預貯金について公正証書遺言を作成したケースです。相続人は長男と長女で、父親は長年同居して介護をしてくれた長女に多めに、東京で独立して暮らす長男には控えめに遺産を残す内容としました。 そして、付言事項に「長女には介護で多大な苦労をかけた。長男には、若いころに大学進学費用を負担してきたことへの感謝も込めて、この分け方とした。兄弟仲良く、これからも助け合っていってほしい。」と書きました。 父親の死去後、長男は当初「不公平ではないか」と感じたものの、付言事項を読んで自身の進学費用の経緯を思い出して、姉への遺留分侵害額請求を見送る選択をしました。 付言事項がないことで相続トラブルが生じたケース 広島市内の70代の母親が、自筆証書遺言を作成したケースです。相続人は長女、次女、三女で、長女にすべての財産を残す内容でしたが、遺言書には経緯や理由が何も記されていませんでした。 母親の死去後、次女と三女は「長女が母を言いくるめたのではないか」「私たちには何も伝えられていない」と疑念を強め、最終的には遺言書の有効性を争う訴訟に発展しました。 付言事項の注意点 付言事項は誰でも自由に書けるからこそ、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。 たとえば、本来、遺言事項として書くべき内容を書いてしまうと、遺言者が期待した法的な効果が生じない可能性があります。また、遺言者は問題がないと判断した内容であっても、読み手である相続人にマイナスに捉えられてしまう可能性もあるでしょう。 付言事項を書く場合は、内容について慎重に検討することも大切なポイントです。 広島で付言事項も含めて遺言書の相談ができる専門家 ここまでは、付言事項について基本から解説してきました。付言事項には法的な効力はありませんが、遺言者の想いを伝えられるだけでなく、相続トラブルを防止する効果も期待できます。 しかし、どのような内容でも書いておけばよいというわけではありません。内容をしっかりと検討しなければ、付言事項が原因で相続トラブルが生じる可能性もあるでしょう。 ここまでの記事を読んだ方のなかには、付言事項も含めて遺言書について専門家に相談したいと考えている方も多いのではないでしょうか。 ここからは、広島で付言事項も含めて遺言書について相談できる専門家について紹介します。 専門家の種類 広島で遺言書について相談できる専門家には、大きく分けて行政書士、司法書士、弁護士がいます。それぞれの役割を整理すると、以下のとおりです。 専門家 主な役割 行政書士 書類作成、官公署への手続き 司法書士 不動産登記、簡易裁判所代理 弁護士 法律事務全般、紛争解決 一般的には、行政書士、司法書士、弁護士のいずれであっても遺言書について相談が可能ですが、遺言書や相続を専門としてる専門家を選ぶのがおすすめといえるでしょう。 遺言書や相続を専門としている専門家であれば、付言事項も含めて遺言書全般について豊富な知識や経験を有しており、ご自身の希望を実現するための最適な提案やアドバイスが受けられる可能性が高いといえます。 まとめ 付言事項は、法律で決められている遺言事項に該当しないため法的な効力はありません。しかし、法的な効力がないからこそ、遺言者の想いを家族に伝えるメッセージなど、自由に記載できるのが特徴です。 また、相続トラブルは相続人同士の感情的なわだかまりが原因になる場合もありますが、付言事項として遺言者の想いを記載しておくことで、トラブルを防ぐ効果が期待できるでしょう。しかし、書き方を誤ると逆効果になり、相続トラブルの原因になる場合もあるため、どのような内容にするかを慎重に検討するのが重要です。 広島で相続トラブルを防ぎ、円満な相続を実現するために付言事項も含めて遺言書について相談したい場合は、遺言書や相続を専門としている専門家に相談するのがおすすめといえるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、家族関係・財産状況を踏まえた安心できる遺言書の作成と生前対策をサポートできるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

遺留分を知らずに遺言書を作ると危険?遺留分の基本と対策を広島の行政書士が解説!

広島 遺言書 相談

2026.04.21

「遺言書を書けば、自分の財産を思い通りに分けられる」と考えている方は多いでしょう。しかし、民法には「遺留分」という制度があり、遺留分を知らずに遺言書を作成してしまうと、残された家族が争いに巻き込まれるケースも珍しくありません。 今回は、広島で遺言書の作成を検討している方に向けて、遺留分の基本的な仕組みから、遺留分に配慮した遺言書を作成するための具体的な対策までを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 遺留分の基本 遺留分とは、一定の相続人に対して最低限保障されている相続財産の取り分のことです(民法1042条)。民法1042条では、遺留分について「兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分として一定の割合を乗じた財産の額を最低限相続できる」旨が規定されています。つまり、遺言書の内容がどのようなものであっても、一定の相続人には法律上の最低限の相続分が保障されているのです。 なお、遺留分を侵害する内容の遺言書が「無効」になるわけではありません。ただし、遺留分を侵害された相続人は、後から金銭の支払いを請求できる権利を持っているため、遺言者の希望どおりに遺産が分配されない可能性があることは留意しておきましょう。 遺留分が認められる相続人と認められない相続人 遺留分はすべての相続人に認められているわけではありません。遺留分が認められるのは「被相続人の兄弟姉妹以外の相続人」です(民法1042条1項)。具体的には以下のとおりです。 相続人の種類 遺留分の有無 備考 配偶者 あり 常に相続人となる 子(代襲相続人や養子を含む) あり 第1順位の相続人 直系尊属(父母・祖父母) あり 子がいない場合に相続人となる 兄弟姉妹(代襲相続人を含む) なし 遺留分は認められていない 遺言書を作成するうえでは、遺留分は重要なポイントになります。たとえば、相続人が遺言者の配偶者と兄弟のみであった場合、兄弟には遺留分がないため、配偶者にすべての遺産を残す旨の遺言書にを作成すれば、基本的にはすべての遺産を配偶者が相続できるでしょう。 一方で、相続人が配偶者と養子であった場合、配偶者にすべての遺産を残す旨の遺言書を作成しても、養子には遺留分が認められるため、配偶者がすべての遺産を相続できない可能性があります。 なお、子どもがいない夫婦の場合、相続人が兄弟姉妹だと遺留分がないため、残された配偶者にすべての遺産を残す内容の遺言書を作成するのがおすすめといえます。詳しくは「子どもがいない夫婦に遺言書が必要な理由とは?起こりうる具体的なリスクを解説」の記事を参考にしてください。 遺留分の割合と計算の考え方 遺留分の割合は、相続人の構成によって異なります。民法1042条1項では、総体的遺留分という、遺留分権利者全体に保障される相続分の割合を以下のように定めています。 直系尊属のみが相続人である場合:相続財産の 3分の1 それ以外の場合(配偶者や子がいる場合):相続財産の 2分の1 相続人が複数いる場合は、総体的遺留分に各相続人が法律で認められた相続分である法定相続分(民法900条)を乗じて、相続人ごとの遺留分を算出します(民法1042条2項)。 具体的な家族構成ごとの遺留分割合を見てみましょう。 家族構成 総体的遺留分 各相続人の遺留分割合 配偶者と子2人 2分の1 配偶者:4分の1、子1人あたり:8分の1 配偶者と子1人 2分の1 配偶者:4分の1、子:4分の1 配偶者と父母 2分の1 配偶者:3分の1、父母1人あたり:12分の1 子のみ(2人) 2分の1 子1人あたり:4分の1 父母のみ 3分の1 父母1人あたり:6分の1 たとえば、遺言者の配偶者と子ども2人が相続人で、遺産総額が4,000万円の場合を考えてみましょう。子ども1人あたりの遺留分は4,000万円×8分の1=500万円となり、遺言書でこの金額を下回る財産を渡すことにしていると、子どもの遺留分を侵害していることになります。 遺留分侵害請求に注意 「うちの家族は仲がいいから大丈夫」と思っていても、相続をきっかけに家族関係が変わってしまうケースは決して珍しくありません。とくに、遺言書で遺留分を侵害された相続人が、ほかの相続人に対して遺留分侵害請求をすると、相続トラブルに発展する可能性もあります。 ここからは、遺留分侵害額請求の仕組みを見ていきましょう。 遺留分侵害額請求とは何か 遺留分を侵害された相続人には「遺留分侵害額請求権」という権利が認められており(民法1046条1項)、遺留分を侵害している相手に対して、侵害されている金額に相当する金銭の支払いを請求できます。 遺留分侵害請求があった場合、金銭の支払いによって解決するのが原則となります。とくに、請求額が高額になる場合は、請求を受けた側が支払いに必要な多額の金銭を準備するのが難しい場合もあるでしょう。 遺留分侵害額請求の時効と請求の流れ 遺留分侵害額請求権には期間の制限があります(民法1048条)。具体的には、以下の2つの期間制限が設けられています。 消滅時効: 遺留分権利者が「相続の開始」と「遺留分を侵害する贈与・遺贈があったこと」の両方を知った時から 1年 除斥期間: 相続開始の時から 10年 また、遺留分侵害額請求の一般的な流れは以下のとおりです。 意思表示: 遺留分権利者が、遺留分を侵害している相続人に対して、内容証明郵便などで請求の意思を表示 当事者間の協議: 支払額や支払方法について話し合い 家庭裁判所での調停: 協議がまとまらない場合、家庭裁判所に調停を申し立て 訴訟: 調停でも解決しない場合、地方裁判所に訴訟を提起 広島で遺留分に配慮した遺言書を作成するためのポイント 遺留分の仕組みや相続トラブルの事例については、これまで見てきたとおりです。ここまでの記事を読んだ方のなかには、具体的にどうすればいいのかという悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 ここからは、広島で遺留分に配慮した遺言書を作成するためのポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてください。 なお、遺言書には大きく分けて3つの種類があります。詳しくは「遺言書の3つの種類とは?自筆証書・公正証書・秘密証書の特徴と違い」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 また、3種類の遺言書のうち、公正証書遺言は無効になるリスクを抑えられるなどのメリットがあり、おすすめといえます。詳しくは「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」の記事をご覧ください。 遺留分を侵害しないように遺産を分ける もっとも基本的な対策は、遺産の分け方を遺留分を侵害しない内容にすることです。相続人ごとの遺留分額を事前に計算して、遺留分額を下回らないように遺産を分けることで、遺留分侵害額請求を防止できるでしょう。 以下の表は、遺言者の遺産が自宅不動産3,500万円と預貯金500万円の合計4,000万円、相続人が子ども2人の場合を前提に、遺留分に配慮した場合と配慮していない場合の相続を比較したものです。 項目 遺留分を無視した場合 遺留分に配慮した場合 長男の取得分 自宅不動産3,000万円+預貯金1,000万円(全財産) 自宅不動産3,000万円 次男の取得分 0円 預貯金1,000万円 次男の遺留分 1,000万円 1,000万円 遺留分侵害の有無 侵害あり(1,000万円の請求リスク) 侵害なし 長男への影響 自宅売却のリスクあり 自宅を維持できる 遺留分を無視した場合、長男が次男から1,000万円の遺留分侵害請求をされると、原則として長男は次男に対して金銭で1,000万円を支払う必要があります。もしも1,000万円の金銭が手元になかった場合、長男は相続した自宅不動産を売却して金銭を準備することになる可能性があります。 遺留分に配慮した場合であれば、次男は自身の遺留分額と同額の1,000万円を相続することになるため、原則として遺留分侵害請求はできません。したがって、遺留分を無視した場合のように、長男は相続した自宅不動産を手放す必要がなくなるでしょう。 付言事項で遺言者の想いを伝える 遺産のほとんどが自宅不動産や株式などの有価証券で相続人同士で分割するのが難しい場合など、遺留分の侵害がどうしても避けられないケースもあるでしょう。遺留分の侵害がどうしても避けられないケースの対策方法のひとつが、付言事項の活用です。 付言事項とは、遺言書に記載する相続人へのメッセージのことであり、遺産の分け方の理由や家族への感謝の気持ちなどを自由に記載できます。法的な効力はありませんが、遺言者の想いが伝わることで、遺留分を侵害された相続人に、遺留分侵害額請求を思いとどまってもらえる場合があります。 たとえば、遺言者の遺産が自宅不動産のみ、相続人が長男と次男だとします。そして、面倒を見てくれた長男に自宅不動産を相続させたい場合、次男は何も遺産を相続できないため、長男に対して遺留分侵害請求ができます。そこで、子どもたちへの感謝の気持ちと、長男へ自宅不動産を残したい理由を付言事項として記載することで、次男に遺留分侵害請求を止めてもらえる場合もあるでしょう。 ただし、付言事項にネガティブな表現を入れることは逆効果になる可能性があります。たとえば、次男は面倒を見てくれなかったという趣旨の記載は、かえって感情的な対立を激化させる可能性があるため、注意した方がよいでしょう。 生命保険の活用など、その他の遺留分対策 遺言書の内容以外にも、遺留分に関するトラブルを防止するためのさまざまな方法があります。遺言書だけですべてを解決しようとするのではなく、複数の手段を組み合わせることが大切といえるでしょう。 以下は、遺留分に関するトラブルを防止する方法の例や、それぞれの方法のメリットと注意点を整理した表になりますので、ぜひ参考にしてください。なお、生命保険の活用については、相続税や所得税への影響もあるため、必要に応じて税理士など他の専門家と連携して検討することが望ましいでしょう。 対策手段 概要 メリット 注意点 生命保険の活用 遺留分侵害の可能性がある相続人を保険金の受取人に指定して、生命保険契約をする。 とくに、遺産の大部分が不動産や有価証券の場合に、遺留分侵害額の支払い資金を確保できる。 保険金額が著しく不公平な場合は特別受益と判断される可能性がある。 生前の家族間での話し合い 遺言書の内容や遺産の分け方の理由を生前に家族に伝えておく。 相続人に事前に納得してもらうことで、後の相続トラブルを予防できる。 単なる話し合いには法的拘束力がない。 生前の遺留分放棄 遺留分権利者に、相続発生前に遺留分を放棄してもらう(民法1049条)。 遺留分を放棄した場合、遺留分権利者は相続発生後に遺留分侵害請求ができなくなる。 家庭裁判所の許可が必要。 LINEで無料相談する 広島で遺留分に配慮した遺言書を作るなら専門家に相談を 相続人の構成を正しく把握して遺留分の計算を行い、相続トラブルを未然に防ぐ内容の遺言書を作成するには、専門的な知識や経験が必要な場合が多いでしょう。ここまでの記事を読んだ方のなかには、遺留分に配慮した遺言書の作成は簡単ではなく、誰かに相談したいと考えている方もいるのではないでしょうか。 少しでも誰かに相談したいと考えている方は、専門家に相談するのがおすすめといえます。ここからは、遺言書の作成を専門家に相談するメリットや、相談先の選び方について解説します。 行政書士に相談するメリット 行政書士は、権利義務に関する書類の作成に関する専門家であり、遺言書の作成も専門のひとつです。たとえば、相続人になる人を調査するための戸籍収集や遺産の調査、遺言書の原案作成など、遺言書の作成を幅広くサポートできます。 ただし、相続人同士で紛争が生じる可能性がある場合には、行政書士が対応できないケースもあるので、注意が必要です。 司法書士へ相談するメリット 司法書士は、登記の専門家です。不動産を相続した場合には、相続登記をしなければなりません。とくに、多数の不動産を所持している方の場合は、相続登記が複雑になる可能性があるため、あらかじめ司法書士へ相談して遺言書を作成するのがよいでしょう。 ただし、行政書士の場合と同じで、相続人同士で紛争が生じる可能性がある場合には対応できないケースもあるので、注意が必要です。 弁護士へ相談するメリット 弁護士は、法律に関するさまざまなトラブルを解決できる専門家であり、相続トラブルについても例外ではありません。すでに相続人の間で遺留分をめぐるトラブルが発生している場合や、トラブルが発生する可能性が高い場合は、行政書士や司法書士は対応ができないため、弁護士に相談する必要があります。 ここまで解説してきた専門家について、遺言書の作成に関してどこまで対応できるかわかりやすく整理しました。専門家へ相談を検討する際は、ぜひ参考にしてください。 項目 行政書士 司法書士 弁護士 遺言書の原案作成 対応可能 対応可能 対応可能 公正証書遺言の作成支援 対応可能 対応可能 対応可能 相続人調査・財産調査 対応可能 対応可能 対応可能 遺留分の計算 対応可能 対応可能 対応可能 遺留分侵害額請求の代理交渉 対応不可 対応不可 対応可能 調停・訴訟の代理 対応不可 対応不可 対応可能 広島で遺言書の相談をする際に確認したいこと 広島で実際に遺言書の作成を専門家に相談しようと考えたとき、どの事務所を選べばいいのだろうと迷うこともあるでしょう。相談先を選ぶ際には、以下のポイントを事前に確認しておくと安心です。 初回相談の費用: 無料相談を実施しているか、有料の場合はいくらかかるか 遺言書作成の対応実績: 相続・遺言に関する業務をどの程度手がけているか 公正証書遺言への対応: 公証役場との連携や証人の手配まで対応してもらえるか 遺留分への配慮: 遺留分の計算や遺産の分け方まで含めたサポートを受けられるか 他の専門家との連携体制: 税理士や弁護士など、必要に応じて連携できる体制があるか 対応エリア: 広島市内だけでなく、広島県内の公証役場にも対応可能か 遺言書は一度作成すれば終わりではなく、家族構成の変化や財産の増減に応じて見直しが必要になることもあります。長期的に相談できる関係を築ける専門家を選ぶことも、重要な判断基準のひとつといえます。 まとめ 遺留分とは、法律で一定の相続人に最低限保障されている相続分のことです。 遺留分を無視した遺言書を作成してしまうと、ほかの相続人が遺留分を侵害された相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。遺留分侵害請求を受けた相続人は、原則として金銭で相当額を支払う必要がありますが、金銭が準備できない場合などは、相続トラブルに発展するリスクがあるでしょう。 そして、遺留分が原因の相続トラブルを防ぐためには、遺留分を侵害しない遺産の分け方や付言事項の活用など、さまざまな方法のなかから複数を組み合わせて対策を講じることが大切です。 遺留分が原因の相続トラブルを防ぎ、遺言者の意志を実現する遺言書を作成するためには、専門家に相談するのがおすすめといえるでしょう。なかでも、遺言書を専門にしている専門家であれば、ご自身の状況や要望に応じた最適な遺言書の作成をサポートしてくれるといえます。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、家族関係・財産状況を踏まえた安心できる遺言書の作成と生前対策をサポートできるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する

子どもがいない夫婦の遺言書は片方だけでは不十分な理由を広島の行政書士が解説

広島 遺言書 相談

2026.04.01

「子どもがいないのに遺言書は必要なの?」と疑問に感じているご夫婦は多いのではないでしょうか。実は、遺言書は子どもがいない夫婦にこそ必要な場合が多いです。 この記事では、広島で子どもがいない夫婦が遺言書を作成すべき理由や遺言書がない場合のリスクについて、具体例を交えてわかりやすく解説します。 遺言書の基本 遺言書とは、遺言者の遺産を「誰に対してどのように残すか」について記載した、法律上の効力がある書類のことです。たとえば、遺産をすべて配偶者に残すという趣旨の内容にすると、遺言者の相続が発生した際には、基本的に配偶者の方がすべての遺産を受け取ります。 遺言書の3つの種類と特徴 遺言書には、法律で定められた3つの種類があります。種類ごとの作成方法、メリットやデメリットについて以下の一覧表に整理しました。   自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言 作成方法 遺言者が全文・日付・氏名を自書し、押印する(民法968条) 公証役場で公証人が作成する(民法969条) 遺言者が署名・押印した遺言書を封印し、公証人に提出する(民法970条) メリット 自分だけで作成できる。 公証人が関与するため法的な不備が起きにくい。 遺言の内容を秘密にできる デメリット 書き方の不備等で無効になるリスクがある 証人2人が必要。公証人への手数料がかかる 実務上ほとんど利用されていない なお、3種類の遺言書について詳しく知りたい方は「遺言書の3つの種類とは?自筆証書・公正証書・秘密証書の特徴と違い」をご覧ください。とくに、リスクを抑えて安全に遺言書を作成したい方は「広島で公正証書遺言をおすすめする理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説!」もぜひ参考にしてください。 遺言書がないと相続はどうなる? 遺言書がない場合、法定相続分という法律で定められた相続の割合によって、相続人全員で財産を分けることになります。 また、相続人には以下のような順位があり、基本的には順位が高い人から順に相続人になります。たとえば、亡くなった方に子どもと両親がいた場合、順位が高い子どもが相続人となり、順位の低い両親は相続人にはなりません。 第1順位:子(子が亡くなっている場合は孫) 第2順位:直系尊属(父母。父母が亡くなっている場合は祖父母) 第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪) なお、配偶者は常にほかの相続人と一緒に相続人になります。一緒に相続することになる法定相続人と、それぞれの相続の割合である法定相続分は次のとおりです。 ケース 法定相続人 配偶者の法定相続分 その他の相続人の法定相続分 亡くなった方の親が存命 配偶者+親 3分の2 親:3分の1 親は他界、兄弟姉妹が存命 配偶者+兄弟姉妹 4分の3 兄弟姉妹:4分の1   遺言書がない場合の相続の具体例 ここでは、遺言書がない場合を前提に、子どもがいない夫婦の相続の具体例を見ていきましょう。 【Aさん夫婦のケース】 広島市内のマンションに夫婦2人で暮らすAさん夫婦。子どもはいません。また、夫の両親はすでに他界しており、夫には兄弟が3人います。 夫が遺言書を作らないまま亡くなった場合、法定相続人は妻と夫の兄弟3人です。そして、遺産が3,000万円だとすると、法定相続分は次のとおりです。 妻:3,000万円 × 3/4 = 2,250万円 兄弟3人合計:3,000万円 × 1/4 = 750万円(1人あたり250万円) つまり、夫の遺産のうち750万円分の財産については、夫の兄弟に渡す必要があるということになります。 遺言書によって残された配偶者の生活が守られる 遺言書がない場合の相続については、これまで見てきたとおりです。子どもがいない夫婦の場合、遺言書がないと配偶者は義理の両親や兄弟姉妹と一緒に相続することになり、基本的にはすべての財産を相続できません。 しかし、遺言書があれば、配偶者にすべての遺産を相続してもらうことが可能になります。とくに、子どもがいない夫婦の場合、一般的に配偶者は義理の兄弟姉妹と一緒に相続することになりますが、義理の兄弟姉妹には法律で決められた最低限の相続の割合である遺留分がありません。また、すべての遺産を配偶者に残す旨の遺言書があれば、配偶者はほかの相続人と遺産の分け方について話し合う遺産分割協議をする必要もなくなります。 配偶者にすべての遺産を残す旨の遺言書を作成しておくことで、遺言者に万が一のことがあってもすべての遺産を配偶者が相続できるようになるため、配偶者の生活が守られるでしょう。 LINEで無料相談する 広島で子どもがいない夫婦がお互いに遺言書を作るべき理由 子どもがいない夫婦の場合、遺言書を作成することで残された配偶者の生活が守られます。しかし、夫婦のうち一方だけが遺言書を作成するだけでは十分とは言えないでしょう。 残された配偶者の生活を守るためには、夫婦がお互いに遺言書を作成しておくことが大切です。なぜなら、夫婦のうちどちらが先に亡くなるかはわからないため、お互いに万が一のことがあってもいいように備えておく必要があるからです。 ここからは、子どもがいない夫婦が片方しか遺言書を用意しなかった場合のリスクについて、具体例を交えながらご説明します。 相続手続きが長期間にわたり進まない 1つ目のリスクは、相続手続きが長期間にわたって進まなくなる可能性があることです。 遺言書がない場合の相続では、残された配偶者は一緒に相続する義理の両親や兄弟姉妹と遺産の分け方について話し合う「遺産分割協議」をしなければなりません。義理の兄弟姉妹と普段から親交があるのなら、ある程度話し合いはスムーズに進むかもしれませんが、一般的にはほとんど親交がない場合が多いでしょう。 また、遺産分割協議は相続人全員の合意がなければ成立しません。つまり、1人でも反対すれば遺産分割協議が成立しないことになり、長期間にわたって相続手続きができなくなる可能性があります。 なお、一緒に相続する義理の兄弟姉妹のなかに既に亡くなっている方がいる場合、基本的には亡くなっている方の子どもである甥や姪が相続人となります。義理の兄弟姉妹ならまだしも、甥や姪の場合はそもそもほとんど会ったことがなく、連絡先を調べるところから始めなければならないケースも多いです。 子どもがいない夫婦が片方しか遺言書を用意しなかった場合、相続手続きがスムーズに進められないことで、残された配偶者の生活が危うくなる可能性もあるでしょう。 残された配偶者の精神的な負担が大きい 2つ目のリスクは、残された配偶者の精神的な負担が大きいことです。 一緒に相続するのが義理の兄弟姉妹だった場合、関係が疎遠だと配偶者を亡くした直後の悲しみの中で連絡を取るのは精神的な負担が大きいでしょう。とくに、相続の話はデリケートな内容であり、話を切り出すこと自体、心理的なハードルが高いといえます。義理の兄弟姉妹と一緒に相続することになった配偶者の方のなかには、どう連絡すればいいのか分からないと悩まれる方は多いです。 また、仮に普段から義理の兄弟姉妹と親交があったとしても、遺産分割協議でトラブルが生じた場合には、それまで良好だった親族関係が悪化してしまうこともあります。実際に、相続が原因で残された配偶者と義理の兄弟姉妹の訴訟に発展して、関係が著しく悪化してしまうケースも少なくありません。 残された配偶者にとって、ほかの相続人と一緒に相続手続きをするのは精神的な負担が大きいことは、覚えておいた方がよいでしょう。 広島で子どもがいない夫婦が遺言書を作るポイント 子どもがいない夫婦が遺言書を作成する際にはいくつか重要なポイントがありますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。 遺言書は夫婦連名で作成しない 民法975条は「2人以上の者が同一の証書ですること」を禁止しています。つまり、1通の遺言書を夫婦2人が共同して作成してはいけないということです。たとえば、夫婦で自筆証書遺言を作成する場合、夫婦連名で署名してそれぞれが押印してしまうと、遺言書は無効になるでしょう。 夫婦でお互いに遺言書を作成する場合には、必ず1人1通ずつ作成して、作成していない方が署名や押印をしないように注意しましょう。 遺言書に予備的遺言を記載する 「配偶者が先に亡くなっていた場合、財産を誰に渡すか」をあらかじめ指定しておくことを、予備的遺言といいます。たとえば「妻に全財産を相続させる。ただし、妻が先に亡くなっていた場合は、甥に遺贈する。」といった記載です。 予備的遺言がない場合、遺言書に記載された配偶者が先に亡くなってしまうと、遺産を受け取る人がいないことになります。遺産を受け取る人がいない場合、遺言書のうち該当部分が無効になり、無効になった部分の遺産については、相続人が話し合いで分けることになります。 予備的遺言を記載する一番の目的は、遺言者の思いを実現するためです。予備的遺言を上手に活用すれば、本当に残したい人にだけ遺産を残せるようにできるため、遺言者自身の思いが実現できるといえるでしょう。 なお、具体的な遺言書の作成手順については、「子どもがいない夫婦の遺言書の作り方」で詳しく解説しています。 広島で遺言書の相談をするなら専門家への相談がおすすめ 子どもがいない夫婦がお互いに遺言書を作成するべき理由については、これまで見てきたとおりです。お互いに万が一のことがあってもいいように夫婦それぞれが遺言書を作成しておくことは、残された配偶者の生活を守るだけでなく、安心して日々の生活を送れるようにすることにもつながります。 ここまでの記事を読んで、夫婦がお互いに遺言書を作成しておく必要性を感じている方のなかには、どのように作成するのがよいかわからず、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。遺言書の作成は、専門家に相談するのがおすすめといえます。 遺言書について相談できる専門家には、大きく分けて行政書士、司法書士、弁護士がいます。専門家ごとのそれぞれの特徴を整理して一覧表にまとめてみましたので、参考にしてください。   行政書士 司法書士 弁護士 対応できる業務 遺言書の起案・作成サポート、公証役場との調整、相続手続き全般の支援 遺言書の作成サポートに加え、不動産の相続登記 遺言書の作成サポートに加え、相続人間の紛争対応、調停・訴訟の代理 こんな方におすすめ 遺言書の作成を中心に相談したい方。紛争の心配がなく、手続き全般をサポートしてほしい方 不動産の相続登記も合わせて依頼したい方 相続人間ですでに争いがある、または争いが予想される方 とくに、遺言書を専門としている専門家であれば、夫婦がお互いに遺言書を作成する場合のポイントを熟知しており、最適なアドバイスが受けられるといえるでしょう。 まとめ 今回は、広島で子どもがいない夫婦がお互いに遺言書を作成するべき理由について解説しました。 遺言書がない場合、残された配偶者にとってほかの相続人と一緒に相続手続きを進めるのは精神的に大きな負担になりかねません。また、万が一手続きが順調に進まない場合、残された配偶者の生活が危うくなる可能性もあるでしょう。 残された配偶者の生活を守り、安心して日々の生活を送ってもらえるようにするために、子どもがいない夫婦はお互いに遺言書を作成しておくことが重要です。遺言書の作成について少しでも不安がある場合は、遺言書や相続を専門とする専門家に相談するのがおすすめといえるでしょう。 広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に携わってきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら、家族関係・財産状況を踏まえた安心できる遺言書の作成と生前対策をサポートできるのが強みです。 まずは無料相談を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか。 無料相談を予約する