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広島で子どもがいない夫婦の相続のリスクと遺言書が必要な理由を解説

公開日:2026.01.21  最終更新日:2026.09.03

「子どもがいないため、どちらかが亡くなったら配偶者がすべて相続できるだろう」と考えている方は少なくありません。しかし、残された配偶者がすべての財産を相続できるとは限らないため、事前に対策を講じておくことが大切です。

そこで、今回は、広島で子どもがいない夫婦の相続のリスクだけでなく、対策として遺言書を作るべき理由や相談できる専門家について解説します。

子どもがいない夫婦の相続の基本

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まず、相続する権利がある人のことを相続人といい、具体的には次の表のようになっています。なお、原則として上の順位の相続人がいる限り、下の順位の人は相続人になりません。

相続人になれる人 順位
配偶者 常に相続人
直系卑属
(子ども、孫など)
第1順位
直系尊属
(親、祖父母など)
第2順位
兄弟姉妹 第3順位

次に、法律で相続人に認められている相続する割合のことを相続分といい、具体的には以下の表のとおりです。

相続人 具体例 配偶者の相続分
配偶者+直系卑属 配偶者と子など 2分の1
配偶者+直系尊属 配偶者と父母など 3分の2
配偶者+兄弟姉妹 配偶者と兄弟姉妹など 4分の3
配偶者のみ 配偶者以外に相続人がいない すべて

表からわかるとおり、ほかに相続人がいない場合に限り、配偶者はすべての財産を相続できるようになります。

広島で子どもがいない夫婦の相続で生じる2つのリスク

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相続の基本については、これまで見てきたとおりです。それでは、具体的な財産の分け方はどのようにして決めるのでしょうか。

原則として、亡くなった方の財産の分け方は、遺産分割協議という相続人同士の話し合いによって決めます。したがって、子どもがいない夫婦の場合は、残された配偶者が亡くなった方の親や兄弟姉妹といったほかの相続人と話し合うことになりますが、一般的に次のようなリスクがあります。

  • 配偶者の希望どおりにならない
  • 話し合いが大きな負担になる

ここからは、子どもがいない夫婦の相続で生じる2つのリスクについて、詳しく解説します。

配偶者の希望どおりにならない

遺産分割協議では、誰にどの財産を分けるかを話し合い、相続人全員の合意を得る必要があります。また、相続人ごとに法律で相続分という権利が認められているため、基本的には相続分をもとに内容を決めることになります。

したがって、配偶者が特定の財産を受け取りたい、すべての財産を受け取りたいと希望しても、ほかの相続人が権利を主張して合意が得られず、希望が実現できない可能性があります。

とくに、主な財産が自宅しかない場合は注意が必要です。合意を得られないと配偶者が単独で相続できないだけでなく、最悪の場合は自宅を売却して、ほかの相続人に金銭を支払うことになるケースもあります

相続人同士の話し合いで財産を分けることになると、配偶者の希望が実現しない可能性があることは、覚えておいた方がよいでしょう。

話し合いが大きな負担になる

子どもがいない夫婦の相続の場合、財産を分ける話し合いそのものが配偶者にとって大きな負担になる可能性があります。

たとえば、親が相続人の場合は高齢で意思疎通が難しく、話し合いが進まないことがあります。とくに、認知症などで意思能力が低下していると、後見人を選任して話し合いをしなければならないケースもあり、時間や手間がかかるでしょう。

また、兄弟姉妹と一緒に相続する場合は、配偶者に大きな負担が生じる可能性が高いといえます。

一般的に、義理の兄弟姉妹とは疎遠であり、そもそも連絡を取るだけでも難しいというケースが多いです。そして、仮に連絡が取れたとしても、関係性が希薄なため協力が得られず、話し合いがスムーズに進められない可能性もあります。

さらに、既に亡くなっている兄弟姉妹がいると、その方の子ども全員が代わりに相続人になります。関係性がさらに希薄になるばかりか、相続人の人数が大きく増えることもあるため、話し合いで合意を得るのが一層難しくなるでしょう。

広島で子どもがいない夫婦にこそ遺言書が必要な3つの理由

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話し合いで財産を分けることになると、配偶者の希望どおりにならないだけでなく、大きな負担が生じる可能性があることは、これまで見てきたとおりです。それでは、どうすれば配偶者に大きな負担をかけることなく、必要な財産を残せるのでしょうか。

子どもがいない夫婦の相続では、以下の理由から遺言書の作成が有効な方法のひとつといえます。

  • 財産の分け方を自分で決められる
  • 相続人同士の話し合いを避けられる
  • 相続手続きをスムーズに進められる

ここからは、子どもがいない夫婦にこそ遺言書が必要な3つの理由について、それぞれ具体的に解説します。

財産の分け方を自分で決められる

遺言書では、自分が所有する財産を誰にどのように残すのかを決められます。遺言書がある場合、原則として書かれている内容にしたがって財産を分けることになるため、亡くなったあとの自分の希望を実現できるでしょう。

たとえば、残された配偶者の生活を優先したい場合は、すべての財産を配偶者に残すという内容も可能です。自宅や預貯金、有価証券などをまとめて配偶者に残すことで、配偶者が住まいや生活資金を確保しやすくなり、安心して生活を送れるでしょう。

一方、必ずしもすべての財産を配偶者に残す必要はありません。自宅や生活に必要な預貯金は配偶者に残し、それ以外の財産は親族やお世話になった人などに残すといった分け方もよいでしょう。

どのような分け方が適しているかは、夫婦の財産や希望によって異なります。配偶者が今後どのような生活を送るのかも考えながら、誰にどの財産を残したいのかを整理し、遺言書で財産の分け方を決めておくことが大切です。

相続人同士の話し合いを避けられる

遺言書で財産を誰に残すか決まっている場合、その財産については、原則として相続人同士で分け方を話し合う必要がありません

たとえば、自宅を配偶者に残すと決めていれば、自宅の分け方について相続人全員で話し合うことなく、配偶者が自宅を受け取れます。ただし、ほかに分け方が決まっていない財産があれば、その財産については話し合うことになります。

子どもがいない夫婦の場合、親や兄弟姉妹などが配偶者と一緒に相続人になることがあります。親の判断能力が十分でない場合や、長い間交流のない兄弟姉妹がいる場合は、話し合いを進めること自体が大きな負担になることもあるでしょう。

したがって、たとえば、すべての財産を配偶者に残す内容にしておけば、配偶者がほかの相続人と財産の分け方を話し合う必要がなくなるでしょう。

遺言書であらかじめ財産の分け方を決めておけば、配偶者が相続人同士の話し合いにかける時間や手間を減らしやすくなります。残された配偶者の負担をできるだけ軽くしたい場合にも、遺言書を作成する意味は大きいといえます。

相続手続きをスムーズに進められる

相続が始まった後の手続きでは、内容によってはほかの相続人の協力が必要になることがあります。相続人の一人が必要な書類を出してくれない場合や、手続に協力してくれない場合は、財産の名義変更などが思うように進まないこともあるでしょう。

遺言書では、内容を実現する役割を担う「遺言執行者」を指定できます。遺言執行者には法律上の権限が認められており、内容を実現するための預貯金の払戻しや不動産の名義変更などの手続を自分で進められます。

たとえば、配偶者を遺言執行者に指定することで、ほかの相続人にひとつひとつ協力を求めなくても、配偶者が自分で遺言書の内容を実現できるでしょう。とくに、関係の薄い兄弟姉妹などが相続人になる場合は、配偶者が連絡や調整に追われる負担を減らしやすくなるため、安心といえます。

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広島で子どもがいない夫婦の遺言書の注意点

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子どもがいない夫婦が遺言書では、単に配偶者に財産を残すことだけを考えればよいわけではありません。作成にあたっては、以下の4つのポイントに注意が必要です。

項目 注意点
遺留分 親などの直系尊属が相続人になる場合は、遺留分を侵害すると金銭を請求される可能性があります。
お互いに作成 夫婦のどちらが先に亡くなるか分からないため、片方だけ作ると不十分な場合があります。
予備的な内容 財産を残す予定の配偶者が先に亡くなる場合に、財産を誰に分けるかまで考えておきましょう。

ここからは、3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

遺留分に配慮する

親などの直系尊属が相続人になる場合は、遺留分に注意が必要です。たとえば、配偶者にすべての財産を残す内容の遺言書を作ると、親の遺留分を侵害することになり、配偶者が金銭の支払いを請求される可能性があります

一方で、兄弟姉妹に遺留分ありませんので、相続人が兄弟姉妹の場合は遺留分が原因でトラブルになることはありません。

相続人が誰になるかを検討したうえで、遺留分への配慮や対策も含めて、遺言書の内容を決めるのがよいでしょう。

なお、遺留分の対象者や割合、具体的な考え方については、「遺留分を知らずに遺言書を作ると危険?遺留分の基本と対策を広島の行政書士が解説!」で詳しく解説しています。

夫婦がお互いに遺言書を作る

一般的には女性の方が男性より平均寿命が長いため、夫だけが遺言書を作っておけば大丈夫だろうと考える方は多いでしょう。しかし、病気や事故など何が起きるかはわからないため、配偶者へ財産を残したい場合は、片方だけが遺言書を作れば十分とは限りません。

どちらが先に亡くなっても残された配偶者の生活を守れるように、子どもがいない夫婦の場合、お互いに遺言書を作成しておくのがよいといえます。詳しくは「広島で子どもがいない夫婦がお互いに遺言書を作るべき理由と3つのポイント」を参考にしてください。

配偶者が先に亡くなった場合の財産の分け方も決めておく

財産を残す予定の配偶者が先に亡くなると、該当する財産については相続人が遺産分割協議で分け方を決めることになります。したがって、配偶者がいない場合はお世話になった病院に寄付をしたいなどの希望がある場合は、予備的な内容として遺言書に残しておかなければ、希望の実現は難しいでしょう

予備的な内容も含めて、子どもがいない夫婦が遺言書で決めておくべき内容については、「広島で子どもがいない夫婦の遺言書|内容を決める8つのポイントを解説」を確認してください。

広島で子どもがいない夫婦の遺言書は専門家に相談する

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子どもがいない夫婦が遺言書を作るべき理由については、これまで見てきたとおりです。遺言書を作ることで財産の分け方を自分で決められるため、残された配偶者に必要な財産を残すことで、配偶者の生活を守れるでしょう。

しかし、遺言書を単に作ればよいというわけではなく、遺留分への対応や予備的な内容を決めておくなど、注意すべきポイントがあります。ポイントを押さえて遺言書を作らなければ、希望どおりに財産を残せないだけでなく、相続トラブルにつながる可能性もあります。

ここまでの記事を読んだ方のなかには、配偶者の生活を守れる遺言書を作るにはどうしたらよいだろうと、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。子どもがいない夫婦の遺言書は、専門家に相談するのがおすすめといえます。

行政書士や弁護士など、遺言書について相談できる専門家はさまざまですが、なかでも遺言書や相続に特化している専門家を選ぶのがおすすめです。遺言書や相続に特化している専門家であれば、ポイントを押さえたうえで、豊富な知識や経験を踏まえた適切なアドバイスが受けられでしょう。

たとえば、広島もみじ法務事務所は、遺言書専門の行政書士事務所です。高い専門性を活かしたアドバイスが受けられるだけでなく、最適な遺言書の内容も専門家が一から設計して提案してくれるため、安心して相談できるでしょう。

子どもがいない夫婦の遺言書について広島でよくある質問

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最後に、子どもがいない夫婦の遺言書についてよくある質問を見ていきましょう。

兄弟姉妹が相続を放棄すると言ってくれたら遺言書は不要ですか?

相続放棄は相続が始まってからではないと手続きができません。また、口頭で放棄すると伝えられただけでは法的な効果はなく、家庭裁判所で手続きをする必要があります。

また、実際に相続が始まったときには、兄弟姉妹本人の意思が変わる可能性もあるため、遺言書を作っておくのが安心といえるでしょう。

配偶者の親族と仲が良ければ遺言書を作らなくても問題ありませんか?

親族関係が良好であれば不要になるとは限りません。現時点では良好だったとしても、いざ相続が始まるとそれまでの関係性が一変するケースも少なくありません。

「うちはお互いの親族と仲が良いから大丈夫だろう」と安易に考えるのではなく、何があっても残された配偶者の生活を守れるように、事前に対策を講じておくことが大切です。

財産が自宅と少額の預貯金だけでも遺言書は必要ですか?

相続トラブルが生じるのは富裕層だけではなく、富裕層以外の一般的な家庭でもトラブルになる可能性があります。

したがって、財産の種類や金額で遺言書の必要性を判断するのは、適切とはいえないでしょう

自筆証書遺言でも配偶者に全財産を残せますか?

手書きで作成する自筆証書遺言でも、法律上は配偶者へ全財産は残せます。ただし、法律で決まっている形式に不備がある、記載されている内容が曖昧などの問題があった場合、遺言書が無効になる可能性があるため、注意が必要です。

無効のリスクを抑えて遺言書を作りたい方には、公正証書遺言がおすすめです。詳しくは「広島で遺言書を公正証書で作成するメリット・デメリットを解説」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

実子はいませんが、養子がいる場合に遺言書で気をつけることはありますか。

養子縁組した養子がいる場合には、養子は第1順位の相続人になります(民法第809条、第887条)。そして、養子には実子と同じように遺留分が認められます。

したがって、遺言書で配偶者に多めに財産を残すような場合は、養子の遺留分への配慮を含めて内容を検討するようにしましょう。

まとめ

子どもがいない夫婦の相続では、配偶者だけでなく、親などの直系尊属や兄弟姉妹も相続人になります。

そして、遺言書がない場合、配偶者はほかの相続人と話し合って財産の分け方を決めることになります。話し合いで合意が得られないと、配偶者の希望どおりに財産を受け取れないばかりか、話し合い自体が配偶者にとって大きな負担になる可能性もあります。

必要な財産を配偶者が相続できるようにするためには、遺言書の作成が有効な方法のひとつです。ただし、最適な遺言書を作るためには、遺留分や予備的な内容の検討など、専門的な知識や経験が必要な場合が多いです。

少しでも不安がある方は専門家に相談するのがおすすめです。とくに、遺言書・相続に特化した専門家に相談するのが安心といえます。

行政書士広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言書専門の法務事務所です。
単に「遺言書を作る」のではなく、ご家族の関係・財産の状況・ご本人の想いを丁寧に整理して、相続トラブルのリスクに備えながら、希望を実現するための内容を設計・提案します。

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