広島でエンディングノートを作りたいと思っても、「どのノートを使えばよいのか」「何から書き始めればよいのか」と悩む方は多いです。とくに、財産の分け方について希望がある場合、エンディングノートだけで足りるのかと不安に思っている方もいるでしょう。
そこで、今回は、エンディングノートの作り方だけでなく、遺言書との違いについても解説します。さらに、相談できる専門家も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
エンディングノートとは

エンディングノートとは、自分の情報や希望を整理し、家族や大切な人に伝えるためのものです。財産や契約、医療に関する情報のほか、介護や葬儀、お墓についての考えなどもまとめられ、大きく2つの役割があります。
1つ目は、生活や財産、契約、医療などの情報を書き出し、自分自身が現在の状況を把握しやすくすることです。2つ目は、病気や事故などで自分の意思を十分に伝えられなくなった場合に備えて、万が一のときに必要な情報や本人の希望を確認できるようにしておくことです。
ここからは、2つの役割について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
自分の現在を整理できる
氏名や生年月日、住所、家族・親族の連絡先などの基本情報に加え、預貯金や不動産、保険、各種契約、医療に関する情報を書き出すことで、自分の現在の状況を整理できます。また、情報を書き出す過程で、普段は意識していなかった契約や、しばらく確認していない財産の状況に気付くきっかけになる場合もあります。
エンディングノートで現在の生活や財産などを整理することで、亡くなったあとのことだけでなく、これからの暮らし方について自分がどのように考えているのかを見つめ直す機会になるでしょう。
万が一のときに情報や希望を伝える備えになる
たとえば、急な病気や事故などによって自分で意思を伝えられなくなった場合、必要な情報を把握できないことがあります。しかし、緊急連絡先や医療情報、契約や財産の所在などを整理しておけば、必要な情報を確認する手掛かりになるでしょう。
とくに、医療や介護について、本人が大切にしたいことや希望を書いておくことで、万が一自分で伝えられなくなったとしても、家族が実現させてくれる可能性があるでしょう。ただし、ノートへ希望を書けば、将来の医療やケアが記載どおりに決まるという意味ではありません。
エンディングノートは、自分に万が一のことがあった場合に、必要な情報や自分の希望を伝えるための備えになるといえるでしょう。
広島のエンディングノートで大切な5つの項目

エンディングノートにはさまざまな項目がありますが、とくに大切な項目は次の5つといえるでしょう。
- 本人・家族・友人などの情報
- 財産や各種契約に関する情報
- 医療や介護についての情報
- 葬儀やお墓などについての希望
- 大切な人へのメッセージ
ここからは、5つの項目についてわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
本人・家族・友人などの情報
本人の氏名や生年月日などの基本情報に加え、緊急時に連絡してほしい家族や友人などの氏名や連絡先なども整理しましょう。たとえば、家族が普段から知っている情報であっても、ノートの一か所にまとめておけば緊急時に確認しやすくなるため、安心といえます。
ただし、内容を詳細に書きすぎてしまうと、必要な情報が一見してわかりにくくなる可能性があります。まずは、氏名、住所、連絡先といった最低限必要な情報から整理して記載するのがよいでしょう。
財産や各種契約に関する情報
預貯金、不動産、保険などの財産については、「どのような財産があるのか」「どこを確認すればよいのか」を把握できるように整理しましょう。たとえば、金融機関名や不動産の所在地など、財産について確認する手掛かりを残しておくことが大切です。
また、電気・ガスなどの生活に関する契約や、インターネットサービスなども整理しておくと、契約状況が確認しやすくなります。とくに、オンラインで完結する契約は紙の書類が残らないこともあるため、利用しているサービスの名前や内容を記録しておくとよいでしょう。
ただし、暗証番号やログインパスワードなどを一か所にまとめると、不正利用につながるおそれがあります。必要な情報を確認できることと、情報を安全に管理することの両方を考える必要があるでしょう。
なお、財産の内容を伝えることと、亡くなった後にその財産を誰へ残すかを法的に決めることは異なります。財産の分け方まで決めたい場合は、遺言書の作成も検討する必要があるでしょう。
医療や介護についての情報
医療や介護については、まず現在の状況を整理しておきます。たとえば、治療中の病気、服用している薬、アレルギー、かかりつけの医療機関などです。とくに、介護を受けている場合は、利用しているサービスや支援してくれている人についても記録しておくとよいでしょう。
また、これからの医療や介護について、自分の希望も書いておくとよいでしょう。たとえば、介護が必要になったときにどこで暮らしたいか、どのような支援を受けたいかを書いておけば、自分で希望を伝えられなくなった場合の備えになるため、安心といえます。
葬儀やお墓などに関する希望
葬儀やお墓、供養の方法などの希望がある場合は、亡くなったあとに希望が伝わるようにまとめておくとよいでしょう。たとえば、葬儀の規模や形式、連絡してほしい人、お墓や納骨先の希望など、自分の考えを具体的に整理しておくのがおすすめです。
とくに、すでに葬儀社や寺院、お墓などについて決めていることがあれば、名称や場所、連絡先もあわせて記載しておくとよいでしょう。
大切な人へのメッセージ
ノートには、家族や親しい方へ伝えておきたい感謝の気持ちや、これまで言葉にできなかった思いを残せます。日頃のお礼や一緒に過ごした思い出、これからも大切にしてほしいことなど、自分なりの言葉で自由に書けます。
普段は恥ずかしくて直接伝えにくいことでも、文章であれば落ち着いて言葉にできる場合もあるでしょう。面と向かっては言いにくかった感謝の気持ちや相手への思いなどを、自分のペースで整理して残せます。
書き方に決まりはないため、伝えたい相手や内容に応じて、自分に合った形で自由にメッセージを考えるのがよいでしょう。
エンディングノートは書けるところから始める

エンディングノートは、最初から順番にすべての項目を書く必要はありません。
項目が多い場合は、一度で完成させようとすると負担になりやすいため、まずは氏名や連絡先、家族に伝えておきたいことなど、すぐに書ける内容から始めると取り組みやすくなります。調べないと分からないことや、まだ考えがまとまっていない内容は、空欄のまま後回しにしても問題ありません。
一方で、急な病気や事故などに備え、家族が必要になる可能性の高い情報は早めに整理しておくとよいでしょう。
たとえば、緊急連絡先、現在の病気や服用している薬、預貯金や保険などの財産情報、各種契約の内容、医療や介護についての希望などです。本人が自分で説明できない状況になったときでも、家族が必要な情報を確認しやすくなります。
また、これまでの人生を振り返る内容や、大切な方へのメッセージなどは、急いで書き終える必要はありません。思い出したことを後から加えたり、気持ちの変化に合わせて書き直したりすることもできます。
一度書いたら完成するものではなく、生活や財産、家族関係、考え方の変化に合わせて内容を更新することが大切です。書きやすいところから始め、必要性の高い情報を先に整理しながら、少しずつ自分に合った内容へ整えていくとよいでしょう。
広島では「広島市いきいき人生ノート」を利用できる

広島でエンディングノートを作る方法のひとつに、広島市が提供している「広島市いきいき人生ノート」があります。医療や介護についての希望、財産や連絡先など、これからの生活や万一のときに備えて整理しておきたい情報が書き込めるようになっています。
「広島市いきいき人生ノート」は冊子として配布されているほか、広島市の公式ウェブサイトではPDFも公開されています。冊子が手元になくても内容を確認できるため、どのようなことを書けばよいのかを確認してから作成を始められるでしょう。
もっとも、広島でエンディングノートを作成する場合、広島市が提供しているノートを使わなければならないわけではありません。遺言書のように法律で形式が決まっているものではないため、市販品を利用したり、自分に必要な内容だけをまとめて作成したりする方法もあるでしょう。
なお、広島市いきいき人生ノート、市販品、自作の主な違いを整理すると、次のようになります。
| 選択肢 | 特徴 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 広島市いきいき人生ノート | あらかじめ幅広い項目が用意されている | 何を書けばよいか分からず、用意された項目に沿って整理したい場合 |
| 市販品 | 商品によって項目やレイアウトが異なる | 内容だけでなく、書きやすさやデザインなども選びたい場合 |
| 自作 | 必要な項目だけを自由にまとめられる | 書きたい内容がある程度決まっており、自由に追加・修正したい場合 |
どの方法が適しているかは、何を書きたいのかによって異なります。「自分に必要な項目がそろっているか」「無理なく書き続けられるか」「あとから内容を見直しやすいか」といった点を比べて、自分に合うノートを選ぶようにしましょう。
なお、「広島市いきいき人生ノート」は冊子として配布されているほか、広島市の公式ウェブサイトではPDFも公開されています。PDF版を利用したい方は、広島市の「広島市いきいき人生ノート」公式ページからダウンロードできます。
エンディングノート作成後の注意点

エンディングノートは、作成後の管理も大切です。いざというときに誰もノートの存在や保管場所を知らなければ、必要な情報を確認できない可能性があるからです。
ただし、財産や医療、連絡先などの個人情報が含まれる場合が多いため、情報を安全に保管することも考える必要があるでしょう。
ここからは、作成後の注意点について詳しく解説します。
保管場所を検討する
必要な人が、必要なときに見つけてもらえる場所へ保管しましょう。どれだけ詳しく書いていても、保管場所が分からなければ、いざというときに内容を確認してもらえません。
ただし、預貯金や保険、医療、連絡先など、人に知られたくない情報が含まれる場合は、単に見つけやすい場所で保管すればよいというわけではありません。したがって、記載している内容に応じて、安全性と見つけやすさのバランスを考えるのがポイントです。
たとえば、自宅の書斎の引き出しや寝室の収納、鍵付きの保管場所など、家族が場所を把握しやすく、第三者の目には触れにくい場所が考えられます。そのうえで、信頼できる家族などに保管場所を伝えておくと、必要なときに確認してもらいやすくなります。
記載内容も踏まえて、保管場所を慎重に検討することが大切といえるでしょう。
財産・家族関係・医療等が変わったら見直し、古い情報を残さない
作成後も、財産や契約、家族関係、健康状態、本人の希望などは変化します。古い情報が残ったままでは、必要なときに現在の状況と異なる可能性があります。
たとえば、次のような事情が生じた場合には、見直しを検討するのがよいでしょう。
- 家族関係に変化があった
- 預貯金や不動産などの財産が変わった
- 保険や各種サービスの契約内容が変わった
- 病気や介護など健康状態に変化があった
- 転居など生活環境が変わった
財産や家族関係、健康状態などに変化があったときは、そのままにせず内容を見直し、できるだけ現在の状況に合った情報を残しておくことが大切です。
エンディングノートは遺言書の代わりにはならない

エンディングノートでは、預貯金や不動産、保険などの財産について、何を所有しているのか、どこを確認すればよいのかを整理できます。ただし、財産の情報を家族へ伝えることと、亡くなった後に誰へ何を残すのかを法的に決めることは別です。
ノートに財産について記載していても、それだけで希望する分け方に法的な効果が生じるわけではありません。「自宅を特定の人に残したい」「財産の分け方を自分で決めておきたい」など、亡くなった後の財産について自分の希望に法的な効果を持たせたい場合は、遺言書を作成する必要があります。
財産の分け方について実現したい希望がある場合は、遺言書についても検討するのがよいでしょう。
エンディングノートと遺言書は両方作れる

エンディングノートと遺言書は、それぞれ目的が異なるため、必要に応じて両方とも作れます。両方とも作っておけば、家族が必要とする情報や自分の思いを伝えながら、財産の分け方について自分の希望を残せるでしょう。
また、ノートに「遺言書を作成していること」や「どこに保管しているか」を記載しておけば、亡くなった後に家族が遺言書を見つけるための手掛かりにもなるでしょう。
ただし、ノートに財産の分け方まで具体的に書くと、読んだ人が遺言書と同じようなものだと受け取ったり、遺言書と内容が異なる場合に本人の最終的な意思が分かりにくくなったりするおそれがあります。結果として、相続人や受遺者の間で認識の違いが生じ、トラブルにつながる可能性もあるため、注意が必要です。
遺言書を併用すれば、「家族に必要な情報や希望を伝えること」と「財産の分け方について希望を実現すること」の両方に備えられるため、安心といえます。自分が何を伝えておきたいのか、財産の分け方について実現したい希望があるのかを整理したうえで、両方作成するべきかを検討するのがよいでしょう。
迷ったら専門家に相談するのがおすすめ

エンディングノートには、自分の希望や考えを整理できるだけでなく、万が一のときに伝えたい情報を残せるといった特徴があります。
一方で、作成にあたってはさまざまな項目があり、「どこまで書けばよいのかわからない」と迷うこともあるでしょう。また、財産の分け方について希望がある方だと、「自分の場合は遺言書も作った方がよいのではないか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
とくに、「この不動産は長男に渡したい」「預貯金は友人に相続してほしい」など、財産の分け方について具体的に記載すると、遺言書との区別が分かりにくくなり、相続人間の認識の違いやトラブルにつながるおそれがあるため、注意が必要です。
ここまでの記事を読んで、エンディングノートに何を書けばよいか迷っている、遺言書を作成すべきかわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。少しでも悩んでいる方は、行政書士や司法書士といった専門家に相談するのがおすすめといえます。
とくに、エンディングノートの作成は遺言書と併せて検討することも少なくないため、遺言書・相続を専門にしている専門家を選ぶのが安心といえるでしょう。
たとえば、広島もみじ法務事務所は、遺言書・相続専門の行政書士事務所です。エンディングノートだけでなく遺言書についても精通しており、最適なアドバイスを受けられるでしょう。
エンディングノートについて広島でよくある質問

最後に、エンディングノートについてよくある質問を見ていきましょう。
エンディングノートは何歳から書けばよいですか?
エンディングノートは、何歳から始めなければならないというものではありません。将来のことを考え始めたときや、自分の情報を整理して家族に伝えておきたいと感じたときが、書き始めるひとつのタイミングといえます。
一度にすべてを書こうとせず、連絡先や医療情報など、書きやすい項目から少しずつ進めると取り組みやすいでしょう。
エンディングノートはパソコンやスマートフォンで作ってもよいですか?
エンディングノートには法律上決められた専用様式がないため、パソコンやスマートフォンで作成することもできます。
ただし、パソコンやスマートフォンで作成する場合は、紙で作成する場合と比べて見つけられにくい可能性があります。万が一のときにデータを見つけてもらえるよう、保存場所や確認方法までしっかりと検討するようにしましょう。
エンディングノートを作れば遺言書は不要ですか?
エンディングノートを作っていても、遺言書が不要になるとは限りません。エンディングノートは、財産の情報や医療・介護についての希望、家族へのメッセージなどを整理して伝えるために役立ちますが、亡くなった後の財産の分け方を法的に定めるためのものではないからです。
「自宅を特定の人に残したい」「相続人ではない人にも財産を渡したい」など、財産の承継について自分の希望を法的な形で残したい場合は、エンディングノートとは別に遺言書を作成する必要があります。
遺言書にはいくつかの方式がありますが、作成するのであれば、公正証書遺言は有力な選択肢です。公証人が作成に関わるため形式上の不備を防ぎやすく、原本も公証役場で保管されるため、紛失などのリスクを抑えられます。また、相続が始まった後に家庭裁判所で検認を受ける必要もありません。
公正証書遺言の特徴やメリット・デメリットについては、「遺言書は公正証書遺言がおすすめ。メリット・デメリットや広島で相談できる専門家を解説!」で詳しく解説しています。
家族にエンディングノートの内容を全部見せる必要がありますか?
エンディングノートの内容を、家族全員にすべて見せる必要はありません。財産や医療、連絡先など、知られる相手を限った方がよい情報も含まれるため、誰にどこまで伝えるかは内容に応じて決めるのがよいでしょう。
たとえば、家族にはノートを作成していることや保管場所だけを伝え、詳しい内容は必要になったときに確認してもらう方法もあります。一方で、医療や介護についての希望など、事前に話し合っておいた方がよい内容は、信頼できる家族と共有しておくと考えを伝えやすくなります。
すべてを一律に見せることではなく、必要な人が必要な情報を確認できるようにしておくことが大切だといえるでしょう。
財産が少なくてもエンディングノートを作る意味はありますか?
エンディングノートを作る目的は、財産を整理することだけではありません。緊急時の連絡先や契約の内容、医療や介護についての希望、葬儀やお墓に関する考えなど、家族が必要になったときに確認してほしい情報をまとめておくためにも役立ちます。
そのため、財産が多いか少ないかだけで、作成する意味があるかを判断する必要はありません。たとえば、家族に伝えておきたいことや、自分にしか分からない情報があるかという視点で考えると、エンディングノートが必要かどうかを判断しやすくなるでしょう。
暗証番号やパスワードもエンディングノートに書いたほうがよいですか?
暗証番号やパスワードは、エンディングノートにそのまま書き残さない方がよい場合があります。預貯金や各種サービスの情報と一緒にまとめてしまうと、ノートを見た第三者に悪用されるおそれがあるためです。
たとえば、利用している銀行やサービスの名称、必要な情報をどこで確認できるかといった手掛かりだけを記載し、暗証番号やパスワードそのものは別の方法で管理する方法もあります。
何をノートに書き、何を別に管理するかを分けて考えるとよいでしょう。
まとめ
エンディングノートを作成しておくと、自分の希望や考えを整理できるだけでなく、万が一のときに伝えたい情報を残せます。作成する場合は、最初からすべての項目を埋めようとせず、自分自身の情報や緊急連絡先など、書きやすい内容から整理するのがポイントです。
また、亡くなった後の財産の分け方について希望がある場合は、遺言書の作成も検討する必要があります。ただし、エンディングノートと遺言書にはそれぞれ役割があり、記載するべき内容も異なるため、自分だけで作成することに不安がある方は専門家に相談するのがおすすめです。
専門家に相談することで、何をどのように書くべきか、遺言書が必要かなどについてアドバイスを受けられるため、安心といえるでしょう。
広島もみじ法務事務所は、遺言書・相続専門の行政書士事務所です。
単に「エンディングノートを作る」のではなく、13年の裁判所経験を活かしてご希望を法的に整理し、遺言書の必要性の判断や内容設計も含めてサポートできるのが強みです。
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