お子さまがいないご夫婦の場合、相続が発生すると残された配偶者は兄弟姉妹と一緒に相続するのが一般的ですが、できれば避けたいと考えている方は多いでしょう。お子さまがいないご夫婦が円満に相続するためには、遺言書を作成しておくのがおすすめの方法のひとつです。
今回は、広島でお子さまがいないご夫婦が遺言書を作成する流れや、重要なポイントについてわかりやすく解説します。
そもそも遺言書とは?

遺言書とは、遺言者が亡くなったときに法律上の効果を発生させる書面のことです。書面に記載できる主な内容には、相続に関すること、遺言者の遺産の処分に関することや遺言執行に関することがあります。
また、遺言書があれば、原則として記載された内容にしたがって相続手続きを進めるため、基本的に相続人同士で遺産の分け方について話し合う必要がありません。相続人同士で話し合う必要がなくなれば、スムーズに手続きを進められるだけでなく、余計な争いを避けて円満な相続の実現にもつながるでしょう。
広島で子どもがいない夫婦が遺言書を作成すべき理由

子どもがいない夫婦が遺言書を作成すべき理由は、残された配偶者の生活を守れるからです。
遺言書がない場合、相続が発生すると配偶者はほかの相続人と一緒に相続することになります。一般的には、亡くなった配偶者の兄弟姉妹と相続する場合が多いです。
残された配偶者が兄弟姉妹と一緒に相続すると、法律で決められた割合にしたがって相続することになるため、亡くなった配偶者のすべての遺産を相続するのが難しくなります。それだけでなく、兄弟姉妹と遺産の分け方について話し合いをする必要があるため、手続きがスムーズに進まないばかりか、話し合いがうまくまとまらないことで争いに発展するケースも少なくありません。
遺言書を作成すれば、残された配偶者に遺言者のすべての遺産を相続してもらえるだけでなく、ほかの相続人と話し合う必要がなくなるため、手続きをスムーズに進められます。
遺言書は、残された配偶者が安心して日々の生活を送れるようにするために、作成しておくべきだといえるでしょう。
広島で子どもがいない夫婦が遺言書を作成する流れを解説!

ここからは、子どもがいない夫婦が遺言書を作成する流れについて解説します。具体的には以下のとおりですので、それぞれ順番に見ていきましょう。
- 推定相続人の確認
- 遺産の確認
- 遺言書の内容の検討
- 遺言書の作成
推定相続人の確認
推定相続人とは、遺言者に相続が発生した場合に相続人になる可能性がある人のことです。推定相続人を確認するためには、基本的に遺言者の出生から現在に至るまでのすべての戸籍を取得する必要があります。
とくに、子どもがいない夫婦の場合は兄弟姉妹が推定相続人になるケースが多いので、可能であれば遺言者の両親の出生から現在に至るまでの戸籍もすべて確認しておくのがよいでしょう。
なお、兄弟姉妹の戸籍は基本的に相続が発生しない限りは取得できないため、あくまでも調査時点での推定相続人であることは、覚えておいた方がいいでしょう。
遺産の確認
遺産には、預貯金、不動産、有価証券や自動車などさまざまなものがあります。ご自身の遺産を棚卸して、どのような遺産があり、それぞれいくらの価値があるかを確認して整理しましょう。
とくに、遺産には債務などのマイナスの遺産も含まれることには注意が必要です。預貯金などのプラスの遺産だけでなく、マイナスの遺産についても確認したうえで、現在の遺産状況を確認するようにしましょう。
遺言書の内容の検討
推定相続人と遺産の確認ができたら、いよいよ遺言書の内容の検討に入ります。
検討にあたっては、誰に、どのような遺産を、どの程度残すのかを明確にすることが大切です。たとえば、配偶者以外にも預貯金の一部を残したい人がいる場合には、預貯金のうちいくらを残すのかを明確に記載しましょう。
遺言書の作成
内容が確定したら、実際に遺言書を作成します。
一般的には、自筆証書遺言か公正証書遺言のどちらかを選択して作成することになるでしょう。2種類の遺言書については過去に詳しく解説した記事がありますので、以下のリンクからぜひご確認ください。
遺言書完成までの各ステップの所要時間
子どもがいない夫婦が遺言書を作成する流れについては、これまで見てきたとおりです。推定相続人の調査から遺言書の完成までの一連のステップについて、それぞれの所要時間の目安を一覧にしてみましたので、参考にしてください。
| やるべきこと | 所要時間の目安 |
| 推定相続人の確認 | 1週間~3週間 |
| 遺産の確認 | 1週間~3週間 |
| 遺言書の内容の検討 | 1ヶ月~2ヶ月 |
| 遺言書の作成 | 1ヶ月 |
なお、実際に作成するときはやるべきことを同時並行で進める場合が多いため、完成までに要する時間は2か月~3ヶ月というケースが一般的といえるでしょう。
遺言書の作成に必要な書類

一般的に必要になることが多い書類は以下のとおりです。遺言書の作成を始める前に揃えておくのがよいでしょう。
- 遺言者の戸籍
- 遺言者の両親の戸籍
- 預貯金の通帳
- 不動産の登記簿や権利証
- 株式などの有価証券に関する証券会社からの通知書
- 生命保険などの保険証券
- 住宅ローンなどの金銭消費貸借契約書や残高証明書
広島で子どもがいない夫婦が押さえておくべき重要な遺言書のポイントを解説!

ここまでは、子どもがいない夫婦が遺言書を作成する流れについて解説してきましたが、円満な相続を実現するためには、押さえておくべきポイントがあります。
ここからは、広島で子どもがいない夫婦が遺言書を作成するにあたり、押さえておくべき重要なポイントを3つ解説しますので、ぜひ参考にしてください。
兄弟姉妹と一緒に相続する場合、遺留分は生じない
1つ目のポイントは、残された配偶者が兄弟姉妹と一緒に相続する場合は、遺留分が生じないことです。
遺留分とは、法律で一定の相続人に認められている最低限の相続割合のことであり、相続人には遺留分にしたがった割合で遺産を相続する権利があります。遺留分が問題になるのは、すべての遺産をひとりに残す場合です。
たとえば、配偶者にすべての遺産を残す遺言書を作成したとします。もし、残された配偶者が遺言者の両親と一緒に相続する場合、両親には遺留分が認められるため、両親に遺留分を請求されると、基本的には遺産の一部を渡さなければなりません。
しかし、残された配偶者が兄弟姉妹と一緒に相続する場合には、遺留分を気にする必要はありません。なぜなら、法律上、兄弟姉妹には遺留分が認められていないからです。
一般的に、子どもがいない夫婦の相続では残された配偶者は遺言者の兄弟姉妹と一緒に相続する場合が多いため、遺留分を必要以上に気にすることなく遺言書を作成できるでしょう。
遺産の記載漏れに注意する
2つ目のポイントは、遺産の記載漏れに注意することです。
遺言書は、記載された内容以外については基本的に法律上の効力が発生しません。したがって、遺産の記載漏れがあった場合には、相続人同士で記載のない遺産の分け方について話し合う必要があります。
遺言書を作成しても、残された配偶者がほかの相続人と遺産の分け方について話し合うことになると、スムーズに手続きが進まないばかりか争いに発展する可能性もあり、作成した意味がなくなってしまうこともあるでしょう。
残された配偶者が安心して円満に相続できるように、遺言書にはすべての遺産について記載することが大切です。
自筆証書遺言の場合は無効になるリスクがある
3つ目のポイントは、自筆証書遺言の場合は無効になるリスクがあることです。
自筆証書遺言は手書きで作成する必要があるなど、法律で決められた要件を守る必要があります。要件が守られていなかった場合は、程度にもよりますが遺言書全体が無効になってしまう可能性があります。
遺言書が無効になった場合、一部が無効の場合はその該当部分の遺産について、全体が無効の場合はすべての遺産について相続人同士で遺産の分け方を話し合いで決めることになり、せっかくの遺言書が無駄になってしまうこともあります。
自筆証書遺言は費用を抑えて作成できますが、要件を守らないと無効になってしまう可能性があるため、しっかりと要件を確認して正確に作成するようにしましょう。
なお、無効になるリスクを避けたい方には、公正証書遺言がおすすめといえます。詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
広島で子どもがいない夫婦の遺言書は専門家に相談するのがおすすめ

子どもがいない夫婦が遺言を作成する流れや、円満な相続を実現するために押さえておくべき重要なポイントについては、これまで見てきたとおりです。
遺言書は自分でも作成できますが、記載する内容や要件をしっかり確認して正確に作成しないと、遺言書が無効になるだけでなく、残された配偶者が相続争いに巻き込まれてしまう可能性もあります。
ここまでの記事を読んだ方のなかには、自分で遺言書を作成することに不安を感じ、夫婦で専門家に相談したいと考えている方も多いでしょう。少しでも不安を感じている方は、専門家に相談するのがおすすめです。
相談できる代表的な専門家には、弁護士、司法書士、行政書士がいます。しかし、専門家であれば誰でもよいというわけではありません。
相談する専門家を選ぶにあたっては、遺言書や相続を専門とする専門家を選ぶのがよいでしょう。遺言書や相続を専門とする専門家であれば、遺言書についての豊富な知識をもっており、残された配偶者が円満に相続できるよう最適なアドバイスがもらえるでしょう。
まとめ
今回は、広島で子どもがいない夫婦が遺言書を作成する流れや、作成にあたって抑えておくべき重要なポイントについて解説しました。
遺言書を作成することで、ほかの相続人と遺産の分け方について話し合う必要がなくなるため、スムーズに相続手続きが進められるだけでなく、残された配偶者が安心して生活できるようになるでしょう。
子どもがいない夫婦が遺言書を作成するためには、推定相続人や遺産の確認を正確に行う必要があります。また、残された配偶者が円満に相続できるようにするためには、遺産の記載漏れに注意するなど、ポイントを抑えることが重要です。
遺言書の作成に少しでも不安がある方は、遺言書や相続を専門としている専門家に、夫婦で相談するのがよいでしょう。
広島もみじ法務事務所は、遺言書の作成に特化した、遺言書や相続を専門とする行政書士事務所です。代表行政書士は裁判所で豊富なキャリアがあり、遺言書や相続に関する多様な実務経験を踏まえた最適なアドバイスができるでしょう。
また、広島もみじ法務事務所では、遺言作成に関する3つの完全定額制プランを用意しており、要望に応じたプラン選択が可能です。初回相談は無料となっていますので、まずはお問い合わせから始めてみてはいかがでしょうか。