広島 遺言書 相談 遺言執行者

遺言書の遺言執行者は就任後に辞められる?辞任手続きや広島で辞任が難しい場合のおすすめの方法を解説

2026.07.20

いったんは遺言執行者を引き受けたものの、さまざまな理由で「これ以上続けるのは難しい。誰かに任せたい。」と悩んでいる方も多いでしょう。就任後の辞任は難しい場合が多く、何もしないまま放置すると責任を負うリスクもあります。

今回は、就任後に遺言執行者を辞任する手続きや、辞任が難しい場合に検討すべきおすすめの方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

就任前と就任後で遺言執行者を辞める難易度が変わる

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そもそも、遺言書で遺言執行者に指定された場合、必ず就任しなければならないわけではありません。

就任前であれば、就任を辞退する意思表示をすることで断れます。しかし、一度就任したあとは、辞めたいという意思表示をするだけでは辞められなくなり、家庭裁判所で手続きをする必要があります(民法第1019条第2項)。

つまり、就任の前後で意思表示だけで辞められるかどうかが決まるため、意思表示だけでは辞められない就任後の方が、難易度は高いといえるでしょう。

なお、就任前の辞任については「遺言書で遺言執行者に指定されても断れる?広島で就任前に確認すべきポイントや就任後の対応を解説」の記事で解説していますので、併せて読んでみてください。

就任後に遺言執行者を辞める手続きの注意点

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就任後に辞めるためには、家庭裁判所で遺言執行者を辞任する手続きをして、裁判所から許可をもらう必要があります。つまり、裁判所の許可が出ない限りは、原則として遺言執行者を辞められません。

また、辞任手続きの基本的な流れは次のとおりです。

  1. 管轄の家庭裁判所に辞任許可を申し立てる
  2. 家庭裁判所が事情を審理し、許可するかどうかを判断する
  3. 許可の審判が出たら、相続人・受遺者へ辞任を通知する
  4. 職務の経過・結果を報告し、資料や財産を引き継ぐ

ここからは、家庭裁判所の辞任手続きの注意点について詳しく見ていきましょう。

辞任手続きの申立ては遺言執行者がする

手続きの申立てができるのは、遺言執行者本人です。本人以外の第三者が手続きをするためには、本人から委任を受けて代理人になる必要があります。

委任するのが弁護士であれば問題ありませんが、家族や友人などの弁護士以外の第三者が代理人になるには家庭裁判所の許可が必要になるため、注意が必要です。基本的には、許可が出るのは難しいと考えておいた方がよいでしょう。

申立先は亡くなった遺言者の最後の住所地で決まる

申立てをする家庭裁判所は法律で決まっており、具体的には亡くなった遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所になります。最後の住所地とは、遺言者が実際に亡くなったときの住所ではなく、亡くなった時点の住民票上の住所が基準になるため、注意が必要です。

たとえば、広島市安佐南区に住んでいた遺言者が亡くなり、住民票上は呉市になっていた場合は、呉市を管轄する家庭裁判所に申立てをする必要があります。

なお、以下の表は広島県内の家庭裁判所の所在地、管轄、連絡先をまとめたものになりますので、参考にしてください。

裁判所名 所在地 管轄区域 電話番号
広島家庭裁判所 〒730-0012
広島県広島市中区上八丁堀1-6
広島市、廿日市市、東広島市、大竹市、安芸郡、山県郡、安芸高田市のうち八千代支所の所管区域、三原市のうち旧賀茂郡大和町の区域 082-228-0561

広島家庭裁判所

呉支部

〒737-0811
広島県呉市西中央4-1-46
呉市、江田島市、竹原市、豊田郡大崎上島町 0823-21-4992

広島家庭裁判所

尾道支部

〒722-0014
広島県尾道市新浜1-12-4
尾道市、三原市のうち旧三原市・旧豊田郡本郷町・旧御調郡久井町の区域、世羅郡世羅町のうちせらにし支所の所管区域を除く区域 0848-22-3132

広島家庭裁判所

福山支部

〒720-0031
広島県福山市三吉町1-7-1
福山市、府中市、神石郡神石高原町、三次市のうち甲奴支所の所管区域、庄原市のうち旧甲奴郡総領町の区域 084-923-2806

広島家庭裁判所

三次支部

〒728-0021
広島県三次市三次町1725-1
三次市のうち甲奴支所の所管区域を除く区域、安芸高田市のうち八千代支所の所管区域を除く区域、庄原市のうち旧甲奴郡総領町の区域を除く区域、世羅郡世羅町のうちせらにし支所の所管区域 0824-63-5169

とくに、辞任手続きの申立ては遺言執行者本人の住所ではなく、遺言者が亡くなった時点の住民票上の住所地を管轄する家庭裁判所にする必要があることは、覚えておいた方がよいでしょう。

辞任の許可が出た後にやるべきこと

許可が出てたとしても、それだけですべての遺言執行者の義務がなくなるわけではありません。義務から解放されるためには、相続人や受遺者に対して以下の対応をする必要があります。

  • 許可が出て辞任することを通知する
  • これまで進めてきた業務の経過・結果を報告する

通知や報告の方法に法律上の決まりはありませんが、書面などの記録に残る方法が安心といえるでしょう。

遺言執行者の辞任が認められるには「正当な事由」が必要

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家庭裁判所が辞任を許可するためには、正当な事由が必要です(民法第1019条第2項)。正当な事由の具体的な内容は法律上決まっておらず、最終的に家庭裁判所が判断することになるため、一概にはいえません。

しかし、どのようなケースであれば正当な事由といえるのか、気になっている方も多いでしょう。

ここからは、一般的に正当な事由として認められる可能性があるケースについて紹介します。

病気・高齢など健康上の理由

長期の入院や療養、加齢による体力・判断力の低下など、健康上の理由で遺言執行者としての業務を継続するのが難しい場合は、正当な事由として認められるでしょう。

長期出張・遠隔地への転居など時間的・物理的な事情

県外や海外への長期出張、遠隔地への転居など、時間的・物理的に職務を遂行できない事情も、遺言執行者としての業務を継続するのが難しい場合は、正当な事由として認められる可能性があるでしょう。

相続人や受遺者の対立関係に巻き込まれている場合

相続人や受遺者が遺言書の内容について対立していると、遺言執行者としてこれ以上業務を継続するのが難しいと感じる場合もあるでしょう。相続人らの対立関係などにより、遺言執行者が業務の継続が難しいと判断した場合も、正当な理由として認められる可能性があるといえます。

遺言執行者の業務を放置するのは危険

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遺言執行者には、適切な注意をもって業務をおこなう義務があります。また、相続人から求められた場合は、現在の状況を報告しなければなりません(民法第1012条第3項)。

正当な理由なく業務を放置した場合は、次のような問題が起こるだけでなく、責任を負う可能性があるため、注意が必要です。

  • 利害関係人から家庭裁判所に解任を請求される
  • 手続きの遅れによって損害が生じた場合に、損害賠償を求められる
  • 相続人や受遺者との間でトラブルになる

なお、遺言執行者の業務について詳しく知りたい方は「「遺言書の内容を実現するには?広島の遺言執行の手続きと注意点をわかりやすく解説」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

辞任せずに遺言執行者の業務を第三者へ任せる方法がある

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遺言執行者は、第三者に委任して業務を任せることができます。たとえば、相続人や財産の調査、金融機関での手続きなどを自分で進めるのが難しい場合は、専門家などの第三者に業務を任せる方法もあるでしょう。

ただし、遺言執行者を交代するわけではなく、あくまでも業務を第三者に任せるための方法であることは、覚えておいた方がよいでしょう。

ここからは、第三者に遺言執行者の業務を任せる場合に押さえておきたいポイントについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

第三者へ任せる前に遺言書の内容を確認する

遺言執行の業務を第三者へ任せたいときは、まず遺言書の内容を確認しましょう。

確認しておきたいポイントは、主に次の2つです。

  • 第三者への委任を制限する記載がないか
  • 遺言書がいつ作成されたか

まず、遺言書に「遺言執行者本人が自ら手続きをおこなうこと」などの第三者への業務の委任を制限する記載がある場合、原則として遺言者の意思に従わなければならないため、委任は難しいでしょう。

また、遺言書の作成日にも注意が必要です。具体的には、2019年7月1日以降に作成された遺言書であれば、これまで見てきたとおり、基本的に第三者に業務を任せられます。

しかし、2019年6月30日以前に作成された遺言書については、やむを得ない事情がなければ第三者に業務を任せられません。

第三者へ業務を任せる前に、遺言書の作成日や委任の制限に関する記載がないかを確認するようにしましょう。

第三者に任せても遺言執行者の責任は原則として残る

業務を第三者へ任せたとしても、遺言執行者としての責任がなくなるわけではありません。第三者がおこなった業務についても、もとの遺言執行者が責任を負うのが原則です(民法第1016条第1項)。

ただし、やむを得ない事情があって第三者に任せた場合は、責任を負う範囲が第三者の選任や監督のみに限られることがあります。しかし、遺言執行者としての責任がすべてなくなるわけではないことは、覚えておいた方がよいでしょう(民法第1016条第2項)。

第三者へ業務を任せる場合は、遺言執行者としての責任を負うリスクを抑えるために、専門家へ任せるのがよいでしょう。

たとえば、広島もみじ法務事務所は遺言書に特化した遺言相続の専門家であり、遺言執行にも精通しているため、安心して業務を任せられるでしょう。

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遺言執行者の辞任と第三者への業務の委任を判断する基準

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ここまでの記事を読んだ方のなかには、遺言執行者を辞任するか、第三者に業務を任せるか迷っている方も多いでしょう。どちらを選ぶか判断するときに重要なのは、家庭裁判所が辞任を許可するだけの正当な事由があるかどうかです。

たとえば、病気や高齢などにより、遺言執行者としての業務を続けること自体が難しい場合は、正当な事由として認められる可能性があるため、辞任を検討するのがよいでしょう。

一方で、次のような理由の場合は、正当な事由として認められるのは難しいといえます。

  • 遺言執行の手続きが複雑で、進め方がわからない
  • 仕事が忙しくて、手続きをする時間が取れない
  • 手続きを間違えて責任を負うことが不安
  • 財産調査や書類の作成を自分で進めるのが難しい

遺言執行者を辞めたいときは専門家に相談するのがおすすめ

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これまで見てきたとおり、遺言執行者を辞めたい場合、家庭裁判所で辞任の手続きをする、第三者に業務を任せるという方法があります。

辞任ができれば遺言執行者の義務や責任から解放されますが、正当な事由がないと辞任は難しいでしょう。また、辞めたいと悩んでいる方の理由は、仕事が多忙で業務を進める時間がない、専門的で業務の進め方がわからないという、正当な事由として認められる可能性が低いものが多いです。

辞任が難しい場合、一般的には第三者に業務を任せる方法を選択することになりますが、遺言執行者としての責任は残ります。責任を負うリスクを抑えて、安心して第三者に業務を任せたい方は、専門家に相談するのがおすすめといえます。

しかし、専門家の種類は行政書士や弁護士などさまざまです。ここまでの記事を読んだ方のなかには、どのような専門家を選べばよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

遺言執行者の業務について相談する場合、資格だけで判断するのではなく、遺言書や相続を専門にしているかを基準に判断するのがよいといえます。遺言書や相続を専門にしている専門家であれば、遺言執行者の業務についても豊富な知識や経験を有している可能性が高いため、安心して業務を任せられるでしょう。

専門家へ相談するときに可能なら準備しておきたい資料

専門家に相談する際は、遺言書以外にも次のような資料を準備しておくと、スムーズに話ができるでしょう。

  • 遺言者の戸籍や住民票の除票
  • 相続人がわかる戸籍
  • 預貯金や不動産などの財産資料
  • 相続人や受遺者の連絡先
  • これまでにおこなった遺言執行業務の記録
  • 辞任したい理由や現在困っていることをまとめたメモ
  • 相続人や金融機関とやり取りした書面やメール

上記の資料はあくまでも相談をスムーズに進めるためのものであるため、必須ではありません。準備ができそうであれば、無理のない範囲で揃えるのがよいでしょう。

遺言執行者の辞任や第三者への業務の委任でよくある質問

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最後に、遺言執行者の辞任や第三者への業務の委任について、よくある質問を見ていきましょう。

遺言執行業務の一部だけを辞任できますか?

辞任は、遺言執行者そのものを辞めるための手続きであり、法律上は業務の一部だけを辞任できるようにはなっていません。

したがって、たとえば金融機関での手続きや書類作成だけを第三者に任せたい場合は、辞任ではなく第三者への委任を検討するのがよいでしょう。

辞任手続きの申立ては自分でもできますか?

遺言執行者本人であれば、自分で辞任手続きの申立てはできます。ただし、専門的な手続きである以上、申立てに必要な書類を作成したり、資料を集めたりするのが難しい場合もあるでしょう。

申立書の作成や必要書類について不安がある場合は、弁護士や司法書士への相談を検討するのがよいといえます。

遺言執行者が辞任すると相続手続きは止まりますか?

辞任したら必ず相続手続きが止まるというわけではなく、遺言書の内容によっては相続人が協力して手続きを進められる場合もあります。

しかし、遺言執行者だけが可能な手続きが含まれている場合など、後任の遺言執行者が必要になるケースもあるため、専門家に相談するのがよいでしょう。

まとめ

遺言執行者を辞めたい場合、一般的には家庭裁判所で辞任手続きをする方法と、第三者に業務を任せる方法の2つがあります。

辞任手続きをする場合、辞任ができれば遺言執行者としての義務や責任から解放されるでしょう。しかし、辞任には正当な事由が必要になるため、必ず認められるわけではありません。

また、第三者に業務を任せる場合は遺言執行者としての責任は残るため、トラブルが起きたときに責任を負う可能性があることは、覚えておいた方がよいでしょう。

遺言執行者を辞めたい方のうち、業務の難しさや自分で進めることへの不安が原因で悩んでいる方は、専門家に相談するのがおすすめです。とくに、遺言書や相続を専門にしている専門家であれば適切に業務を進めてくれるため、トラブルが生じて責任を負うリスクを抑えられるでしょう。

広島もみじ法務事務所は、遺言書に特化した遺言書・相続専門の行政書士事務所です。代表行政書士は、裁判所で13年にわたり、相続・遺言書を含むさまざまな事案に対応してきました。その経験を活かして、各専門家と連携しながら適切に遺言執行者の業務を進められるのが強みです。

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